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11月初頭、埼玉県小川町の桑原さんを講師に招き、二日間にわたる、バイオガスのクラスが持たれました。バイオガスとは、生ごみや古紙、家畜の糞尿などの生物由来の燃料ガスで、発酵後の残渣は肥料・堆肥として利用でき、無駄がないため、再生可能エネルギーを生み出す手段の一つとして、近年注目を集めています。
毎年、学生たちは、6月の小川町研修の折に桑原さんの元を訪ね、地域を巻き込んだ、そのユニークなバイオガスプロジェクトについて学びます。彼の地域では、各家庭から出る生ごみを集めてバイオガスを生産しており、初期のころは、公共の助成により、生ごみを出すと、地元のお店で使えるクーポンがもらえたとのことで、環境にも地元経済にも優しい取り組みがなされていました。
初日にはポリエチレン製のバイオガスプラントの作り方に関する実践的なクラスがもたれ、二日目には、それぞれの学生が、自分たちのコミュニティで取り組むことのできる規模や経費を踏まえた、具体的なバイオガスプラントのデザインに挑戦しました。



14日の夜に大阪に着き、大阪YMCAの歓待を受けた学生たちは、15日、3つのグループに分かれて、フィールドトリップを行いました。
一つのチームは生野区の大阪コリアタウンを訪問し、在日コリアンの方が直面している差別問題について学びました。これは少数派の人々やアイデンティティについて考え直す機会となりました。ガイドの方から直接体験談を伺えたことも、有難いことでした。こうした問題が存在していること、そして日本社会にどのような形で表れているかを知り、多くの学生が驚いていました。
大正区を訪問したチームの主要テーマも、差別問題でした。学生たちは、大阪で暮らす沖縄出身住民が直面する苦難を知り、心を痛めました。皆、沖縄出身者が日本人とどう異なるのか、なぜ受け入れられないのか、なかなか理解できずにいましたが、実際の体験談を聞き、三代目の沖縄出身の住民が沖縄に戻ることもまた、差別を生じうることをうかがい知ることができました。
最後のグループは西成区を訪ねました。学生たちは日本のリアリティを知り、衝撃を受け、特に、女性と子どもが最も弱い立場に置かれていることを知りました。また、貧困の連鎖と、構造的・文化的要因によってそこから抜け出すことがいかに困難であるかについても議論がなされました。
3つのグループにはすべて、大阪YMCA学院のボランティアと通訳者が同行しました。学生たちは、大阪に住んだり、通学したりしていても、これらの問題を知らなかったと話しました。
大阪YMCAは2032年に150周年を迎えます。その準備として策定されているビジョン150では、「『出会い』と『語らい』をデザインする」ことを重要視しており、このフィールドトリップは、それを体現していると感じました。共に学ぶことで、私たちは社会問題を解決しうる様々な方法を模索することができます。
翌日は日曜日で、学生たちはそれぞれのホストファミリーとともに、教会や大阪の観光名所を訪れました。奈良まで連れて行ってもらった学生もいました。夕方には、ホストファミリーに涙ながらに別れを告げ、門司港行きのフェリーに乗船しました。



アジア学院では年に4回ほど、学院の卒業生による実践的なクラスが持たれています。
今回ご紹介するのは、2022年のコンゴ民主共和国の卒業生、シュクルとモルデカイによるクラスです。彼らが紹介したのは、ブラックソルジャーフライ(日本名:アメリカミズアブ)の幼虫の飼育方法です。実はアジア学院にいた時、個人プロジェクトとしてその飼育に初挑戦したという二人。残念ながら、その時は失敗に終わりましたが、卒後、自国で再度挑戦し、成功させたと言います。
生ごみなどをえさに、約18日間という短期間で卵から孵化し、幼虫になるこの虫は、栄養に富み、ニワトリなどのえさに最適です。省スペースで飼育でき、小規模農家向きのこの方法は、コミュニティの人々にも教えられ、徐々に実施する農家も増えてきています。
クラスには、当時の農場スタッフであった、眞木 凌も加わり、栃木県内で営む自身の農場(両耳農園)においても、生ごみや発酵米ぬかをエサに、このブラックソルジャーフライの飼育を試みていることなどを共有し、有意義な学びの時が持たれました。
なお、シュクルとモルデカイの当プログラムを助成している、アジア学院 北米後援会(AFARI)によるオンラインイベントが、日本時間 11月20日 午前1時から開催されます。彼らの活動についてより深く知りたい方はぜひご参加ください!
申し込みはこちらのメールアドレスまで:[email protected]
※本イベントは全編英語で行われますのでご注意ください。



11月13日、アジア学院を3世代に亘ってご支援くださっている山中 忍さんの農園で、美味しいみかんをごちそうになった一行は、浜松を出発し、三重の愛農高校に向かいました。その晩には、世界地図を前に、それぞれの国や好きなものなどを語るひととときがもたれ、自由参加にもかかわらず、多くの愛農生が参加してくれました。
翌日のメインプログラムは、歌や踊り、ゲームによる交流会によって幕を開け、続くディスカッションでは、アジア学院の学生が進行役を務め、PLA(参加型学習行動法)の「社会における3つのP(権力:power, 名声:prestige, 財産:property)」という概念を用いて、愛農生とディスカッションを行いました。牧師、教師、農民などの役割や職業が、どの「P」を所有しているかについて話し合い、日本と他の国々では異なる役割を持つ場合もあるという気付きもありました
昼食後は様々なスポーツを楽しみました。校長先生の温かいメッセージでプログラムが閉じられ、皆が充実した一日を過ごしました。


アジア学院のカリキュラムの中でも、「美味しい」授業の一つが、この食肉加工の授業です。
講師として毎年来てくださるのは、ノイ・フランク アトリエ那須の小出さん。アジア学院の豚肉を材料に、ソーセージやベーコン、焼き豚などの作り方を教えてくださいます。
加工することで、長期間保存ができるようになったり、原材料のままで売るよりも高値で売ることができるため、このような食品加工の技術は、多くの学生が深く関心を寄せる学びの一つでもあります。
お忙しい中、貴重な時間を割き、丁寧に教えてくださった小出さんに、心より感謝申し上げます。




11日の朝、アジア学院を出発した学生たちは、最初の目的地、東京・町田にある、アジア学院の前身、農村伝道神学校に到着。江戸時代から伝わる水田保全の伝統技術について学び、短い滞在でしたが、学院のルーツを訪ねる充実した時間を過ごしました。
その後、静岡県浜松市に移動し、翌日は、聖隷クリストファー幼稚園・小学校・中学校・高等学校およびグローバルスクールコースの生徒たちと交流を深めました。午後には聖隷歴史資料館を訪問。聖隷グループの創設者である長谷川 保氏が、人々に奉仕しコミュニティのニーズに応えるために生涯を捧げた姿勢に、多くの学生が感銘と励ましを受けました。ある学生は「『生きている間に最善を尽くして奉仕せよ』とはよく聞くが、長谷川氏が医学生の学びのためにご自身の骨格標本を寄贈されたと聞き、亡くなった後も奉仕は可能だと学んだ。」と語り、多くの学生が、今日一日が信仰や宗教、そしてサーバント・リーダーシップについてより深く考えるきっかけになったと共有しました。



11月4日~7日の間、同志社4中高の秋季宗教週間特別礼拝、同志社女子大のチャペルアワーの奨励者(説教者)として、さらに同志社4中高教職員宗教教育研修会の講師として招かれ、4日間で計10回話をさせていただきました。
同志社4中高の総生徒数、他の講演等の出席者数を加えると実に5,000人以上となり、短期間にこれほどの方を前に話をさせていただいたのは初めてのことでした。しかもすべての学校が初めての訪問、担当していただいた先生方もお二人を除き初面会。同じ同志社系列とはいえ、当然それぞれの学校には違った歴史と特性があり、大変刺激的な1週間となりました。
印象に残ったのは、同志社の自由で明るい雰囲気。どの学校にも制服はなく、生徒さんの服装、髪型、持ち物などの外見から、その様子が感じられました。宗教主任の先生方とは食事会を通じて、まるで以前から知り合いであったかのようにすぐにうちとけ、幅広い話題で話が弾みました。紅葉にはまだ少し早かったですが、毎日ちがった場所に赴き、秋の京都を満喫した気持ちになりました。


今年もファームスタッフ、ボランティアの尊い労働が実をむすび、丸々と太ったあまーいサツマイモができました。
総収穫量はなんと916kg!!
専用の貯蔵庫で、適切な温度で保管され、春まで、コミュニティの人々のいのちをつなぎます。