アジア学院の価値観

アジア学院の価値観

アジア学院に関わるものはすべて「コミュニティ・奉仕・食」を大切にする価値観を基につくり上げられています。私たちはこの価値観を持続可能な社会を築く土台として推進することに努めます。この価値観はアジア学院のモットーである

共に生きるために

に基づいています。

アジア学院の歴史は国内外のキリスト教会と深いつながりがあるため、その価値観はキリスト教精神によって形づくられています。例えば「三愛(神を愛し、土を愛し、隣人を愛する)」もそのひとつです。また、日本の伝統的な価値観や禅の思想からも影響を受けています。

三つの柱

アジア学院での生活と学びは3つの柱を中心にして構築されています。

フードライフ

フードライフという言葉は、「食べものといのちとは切り離すことができず、互いにとって必要不可欠である」ということを表しています。

フードライフとは、共に食べものをつくり、食事を分かち合い、働きを担ったすべての人とその過程で与えられたすべてのいのちに感謝することを意味します。

これは、次世代の人々にも豊かな食べものが渡るような方法で生きるということでもあります。

私たちのいのちは自然との健全な関係によって保たれています。食べものを作れば作るほど土が豊かになり、人間関係が美しいものになる。私たちは、そんな持続可能なフードライフをめざしています。

フードライフには、食べものを生産・加工・調理し食べること、そして他者と食べものを分かち合う喜びを味わうことが含まれます。そしてフードライフは、有機農業、食の大切さ、労働の尊厳、そして自立のための自給自足の必要性を理解する機会を与えてくれます。

サーバント・リーダーシップ
(仕える指導者)

アジア学院におけるリーダーシップはイエス・キリストを模範にしています。キリストは謙遜と愛をもって、病んでいる人、貧しい人、社会的弱者に仕えました。他者に仕えるために働き、とりわけ最も必要で、最も人が嫌がる仕事を進んで行いました。キリストは、他者が尊厳と正義をもって生きるために自らのいのちを捧げることを、自らをその模範として示したのです。

アジア学院はキリストとともに、世界で最も虐げられ抑圧された人々特に女性、少数民族、「下層カースト」や「不可触民」とされる人々などに手を差し伸べることを大切にしています。

サーバント・リーダーは力によって他者に命令したり権威を振りかざしたりする必要がありません。自分自身の懸命な働き、誠実さ、思いやりを通して自然と尊敬を集めるのです。サーバント・リーダーは自分自身の立場が草の根の人々の只中にあり、自分が人々「のために」ではなく人々「とともに」働いているのだと知っています。自分の助けがなくとも人々が成功を勝ち取るとき、サーバント・リーダーの仕事が達成されるのです。

アジア学院のコミュニティは、このような奉仕の生き方を学ぶ場所です。トイレ掃除、農作業、食事の準備や人の話に耳を傾けること。こうしたあらゆる働きをすべてのメンバーが担うことで、「共に生きる」ことを日常的に実践しているのです。

学びのコミュニティ

アジア学院での学びと研修は、世界中から集まった人々との共同生活によって成り立っています。これがアジア学院が単なる学校ではなく「学びのコミュニティ」である理由です。

アジア学院は農村のコミュニティが自己決定能力を持ち持続可能な生活を実現するためにその働きを行っています。学びのコミュニティは、各自がこの目的に向かって進む実験場です。これは文化的・民族的、宗教的背景の異なる人々によって構成されるダイナミックで多様なコミュニティです。共に食べものをつくり味わいながら、こうした違い、弱さ、衝突にもかかわらず共に生きることを進んで実践しているのです。

アジア学院では、各自が自分の価値観を見つめなおし、自分のコミュニティの人々やそこでの自分の役割について新たな視点を発見します。何を犠牲にすれば、共に生き、共に栄え、個々人そしてコミュニティ全体がその潜在能力を最大限に発揮できるのかということを学びます。この経験を通して、その場だけにとどまらない人格的変容が実現し、サーバント・リーダーシップやフードライフとは何なのかが分かるようになるのです。

アジア学院の学びのコミュニティはキャンパス内にとどまらず、学院の価値観を共有する支援者やパートナーの国際的なネットワークにまで及びます。

キーコンセプト

農村指導者研修プログラムのすべてのカリキュラムを貫いているのが次のキーコンセプトです。

共に分かち合う生き方

自然と調和した生き方

虐げられた人々を力づける

農村生活の価値

気づき(マインドフルネス)

自律学習

実践による学び

コミュニティ構築

労働の尊厳

食料主権

人格的成長

多様性

平等

霊的成長