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アジア学院では、夏の暑さを避けるために「サンライズファーム」と呼ばれる早朝の農作業を行っています。朝5時から始まり、まだ涼しい時間に野菜の収穫や草取りなどを行うことで、体への負担を軽くしています。
眠い目をこすりながら畑に出るのは大変ですが、朝焼けの中で作業するのは気持ちよくて、自然の中で一日をスタートできる贅沢な時間でもあります。



かつて京都で料理人として働いていた増川 真子(ますかわ まこ)。
現在は、アジア学院でボランティアとして活動しています。
彼女はこう語ります。
「“美味しい”ものをみんなが食べられていたら、戦争なんて起きないと思う。」
料理の世界で働いていた頃、真子はいつも忙しく、時にはイライラしながら料理を作っていたといいます。
ふと立ち止まり、「自分が本当に望んでいた料理って、これだったのかな」と問いかけたとき、アジア学院に来ることを決意しました。
今は、ボランティアとして再び“料理”と向き合いながら、「 “美味しい”とは何か」という問いの答えを探し続けています。
今回、真子が描いた一枚の絵には、こんな想いが込められています。
美味しい食べ物が生まれるためには、きれいな空気、きれいな水、きれいな土が必要。
料理は、ただお腹を満たすだけのものではなく、つくる人の心や、その土地の環境、平和への願いが重なり合うもの。
そんな小さな想いが積み重なって、料理する手のひらから、やさしい平和が広がっていくようです。
インタビュー、文・山中 この葉(アジア学院 ボランティア)

シリーズ記事はこちら
【「食べものからの平和」Cooking for Peace ①】
【「食べものからの平和」Cooking for Peace ②】 ← 今ここ

週に1度の「Peace from Food – 食べものからの平和」特別企画として、アジア学院を応援してくださるサポーターの方々から、メッセージをいただいています。
第4回は、よつ葉生協の目面さんの「Food is …」メッセージをご紹介します。
「Food is … いのち」
私にとって食とは、心と体をつくるもの。地産地消とは、安心をつくること。食の安心とは、単に安全なだけでなく、その背景まで追えることだと考えます。健やかな心身を育むために、その価値を守り、お客様に真の安心を届けるため、トレーサビリティを担保する地産地消を推進しています。
よつ葉生協とは?
私たちは、産直・地産地消を推進し、安心・安全な食材をご自宅までお届けしています。独自の商品選定基準に寄り国産品を原則として、輸入原料、食品添加物、遺伝子組み換え作物などはできる限り除いています。
お知らせ
よつ葉生協はアジア学院の収穫感謝の日にも参加します。ご関心のある方はぜひご来場ください。
アジア学院収穫感謝の日告知ページ:https://ari.ac.jp/htc-2025/
「Peace from Food – 食べものからの平和」寄付キャンペーン
2025年8月1日(金)~9月20日(土)
▶ キャンペーンサイト:ari.ac.jp/donate/peace2025
8月中は毎日、InstagramやFacebookのストーリーで「わたしにとって食べものとは?」をテーマに、コミュニティメンバーやサポーターの声をお届けします。
これまでのストーリーはInstagramのハイライトからもご覧いただけます。

「食べものは、見るだけで幸せになれる。」
そう話してくれたのは、ミャンマー出身のFEAST(食育と持続可能な食卓)スタッフとしてキッチンで働く、ティ・ティ・ウィンです。
ティティが描いた野菜や花々の絵には、彼女の故郷の豊かな食文化と、料理の美しさを大切にする心が表れています。
「作る人の気持ちが、そのまま料理の味になる。」
そんなティティの言葉を聞いて、以前彼女が話していたことを思い出しました。
「まず自分が“おいしい”と感じることが大事。それが、食べる人の喜びにつながるから。」
キッチンは、創造性を分かち合い、文化を分かち合い、そして平和が生まれる場所。
食を通じた小さな思いやりが、未来の平和をつくる力になっていきます。
インタビュー、文・山中 この葉(アジア学院 ボランティア)

シリーズ記事はこちら
【「食べものからの平和」Cooking for Peace ①】← 今ここ
【「食べものからの平和」Cooking for Peace ②】

先日、アジア学院のみんなで川と滝を訪れるコミュニティイベントを開催しました。
自然の中で癒され、仲間と一緒にリフレッシュした最高の一日。
忙しない日々のなかで、こうしたひとときを仲間とともに過ごせることに感謝します。
暑い日が続きますが、皆さまもどうぞご自愛ください。



週に1度の「Peace from Food – 食べものからの平和」特別企画として、アジア学院を応援してくださるサポーターの方々から、メッセージをいただいています。
第3回は、那須塩原市黒磯にあるパン屋 RAKUDAの 山下 三奈さんの「Food is …」メッセージをご紹介します。
「Food is … Circulation(循環)」
私にとって食べ物とは?と考えた時に真っ先に思い浮かぶのは、自分の身体を作っているもの。そして体外へ出たら自然へ還っていく。
自分の身体に入るものも、自然へ還っていくものも、気持ちのいいものを選びたい。
RAKUDAとは?
自家製天然酵母と国産小麦を中心にできる限りオーガニックな材料でパンを焼いています。
パン作りの時も、これが食べてくれる人たちの身体を作るんだ…と一生懸命やっております!
Facebook: https://www.facebook.com/rakuda.pan/
Instagram: https://www.instagram.com/rakuda.b/
「Peace from Food – 食べものからの平和」寄付キャンペーン
2025年8月1日(金)~9月20日(土)
▶ キャンペーンサイト:ari.ac.jp/donate/peace2025
8月中は毎日、InstagramやFacebookのストーリーで「わたしにとって食べものとは?」をテーマに、コミュニティメンバーやサポーターの声をお届けします。
これまでのストーリーはInstagramのハイライトからもご覧いただけます。

子どもたちの未来のために
ニラーニは、スリランカでも草分けのソーシャルワーカーだ。貧しい家庭に生まれ育ったが、奨学金を得て、スリランカで初めて創設された社会福祉学校で学び、母校やその他の教育機関で教鞭をとった後、セーブ・ザ・チルドレンでの仕事を通して、幅広い人々と関わってきた。
2004年12月26日、彼女の人生を大きく変える出来事が起きた。出張を兼ねて、沿岸地域に家族と滞在していた折、スマトラ地震による大津波に遭遇。5歳の息子を亡くした。
言い表せない深い悲しみの中、彼女が立ち上げたのが、シッダールタ子供開発基金 (SCDF)だった。子どもたちが安心できる環境で育てられ、個々の潜在能力を余すところなく発揮し、喜びに満ちて生きることを目指して始められたこの活動は、今年20周年を迎えた。
ニラーニが、今、最も心を砕き、3カ月に一度訪れる活動地がある。中部州のハサラカ・ガンゲーヤヤにあるその村に行くには、バスとオート三輪を乗り継ぎ、さらにそこから5㎞歩かなくてはならない。合わせて、片道8時間の道のりだ。
オート三輪の運転手が断るような、悪路の先にあるこの村へのアクセスの悪さは、村人の生活を大いに困窮させている。
ほとんどの家庭において、母親は中東に、父親や男兄弟は軍隊に出稼ぎに行っている。残された祖父母だけでは、十分に子どもの教育ができず、高学年になると、多くの子どもたちが学校を中退してしまうという。
村でできる数少ない仕事の一つにレンガ作りがあるが、支払われる賃金はごくわずかだ。さらには、業者が地域の人々の土地を借り上げて、レンガの材料の土の採掘を行うため、豊かな表土が失われ、返還される頃には、農業も満足にできない土地と化してしまう。
もう一つのコミュニティの問題は、ゾウ被害だ。村に隣接するジャングルに生息するゾウたちは、家の近くに実る果物や水を求めて、しばしば居住区に現れる。家の中にお米があることが分かれば、家屋は破壊され、ひどいと家族が亡くなることもある。
ニラーニがこの村に関わり続ける理由の一つに、彼女が実の娘のように気遣う、SCDFのボランティアワーカー、チャンドラの存在がある。彼女の家族は村で一番貧しい。でも彼女は美しい心を持ち、自分の問題を差し置いて、人々のために奔走している。
7月にもニラーニは、その村を訪れ、1週間ほど滞在し、子どもたちやお年寄りのためのプログラムや家庭訪問を行った。
彼女が来ると、話を聞いてもらおうと、多くの村人が集まってくる。人懐っこく友だちのようにすり寄ってくる少女には、発達の遅れがあったが、チャンドラたちの介入により、今では読み書きができるようになり、よく話す。雨不足の影響を視察するニラーニに、自宅のカボチャ畑を誇らしげに見せてくれた。
2018年にアジア学院を卒業してから、子どものプログラムに農業を積極的に取り入れるようになったニラーニは、この村でも、10月の雨期に向けて、9月から子どもたちと一緒にコンポストを作ったり苗を育てたりするプロジェクトを始め、個々のキッチンガーデンの計画を進める予定だ。
ニラーニの最近の楽しみは、2階にある自宅で、植物を育てることだ。限られたスペースでも活用できることを子どもたちに教えたい、と始めたが、どんどん愛情が沸き、病気になったり枯れたりすると悲しいといった、子どもの時の素直な気持ちを思い出している。
大切な仕事を終えて家に帰ると、体は疲れても、心は不思議と元気になるという。
ニラーニにとって食べものは何か聞いてみた。その答えは、「あらゆる生きものにとって最も大切なもの」。これは仏教の教えでもあるという。
彼女はいつも、チーフ・シアトルの言葉を用いて、子どもたちにこう話す。
「先祖代々受け継いできたこの大地が傷つけば、人間も生きていくことができない。だからこの大地を大切にしなければならない」と。



文・阿部 真希子
写真提供・ニラーニ・ウェラゴダ(2018年卒業生)
シリーズ記事はこちら
【「食べものからの平和」卒業生の食卓から ① — 序章】
【「食べものからの平和」卒業生の食卓から ⑤ 】← 今ここ

今回は番外編です。
本シリーズの第2回「2袋の食べもの」で取り上げたインドの卒業生、トーマス・マシューが、8月12日にアジア学院にて平和をテーマにした特別講演を行いました。
トーマス・マシューはほぼ毎年、8月6日の広島平和記念式典、8月9日の長崎平和祈念式典に参列するために来日します。彼にとって平和活動は、前回紹介した社会経済的支援と並んで2本柱ともいえる重要な活動です。
彼が平和活動に熱心に取り組むようになったのは1988年のアジア学院の研修がきっかけでした。西日本研修旅行で訪れた広島で原爆という歴史に触れ、被爆者の語りを聞いたことで、彼は母国インドの核保有について問題意識を持つようになりました。「核兵器は他の兵器と次元が違います。人類や自然を完全に一掃する力を持っているのです。」
帰国後、何とかしてインドの人々に被爆者の話を聞いてほしいと願い、1990年の8月には国で初めてとなる被爆者の招聘を実現しました。この活動は現在も続けられています。また、インドによる核実験後の環境や人体への深刻な影響についてのドキュメンタリーを作成したり、展示会やセミナーを開催するなどして、核兵器の危険性についての啓発も行ってきました。
「自分が所属し、育てられてきたコミュニティでの社会奉仕はとても大切です。しかし、いくら経済が発展したとしても、平和がなければそれは長続きしません。だから、社会奉仕活動と平和活動の両方に取り組むことが私の使命なのです。」
核兵器のない世界を想像できるか、という参加者の質問に対して彼はこう答えました。
「それは私の夢です。夢は叶えなければなりません。そのために働きます。若い世代を教育しましょう。被爆者の声に耳を傾けましょう。いつか、その日はやってきます。」
講演後、トーマス・マシューにも、「わたしにとって食べものとは?」への答えをステッカーに書いていただきました。
その答えは「Food is … Peace」
食べものとは、平和です。
「Peace from Food – 食べものからの平和」寄付キャンペーン
2025年8月1日(金)~9月20日(土)
▶ キャンペーンサイト:ari.ac.jp/donate/peace2025


文、写真・江村 悠子
シリーズ記事はこちら
【「食べものからの平和」卒業生の食卓から ① — 序章】
【「食べものからの平和」卒業生の食卓から 番外編 】← 今ここ