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「Peace from Food – 食べものからの平和」卒業生の食卓から ~番外編~

インドで核問題に取り組む卒業生の講演

今回は番外編です。

本シリーズの第2回「2袋の食べもの」で取り上げたインドの卒業生、トーマス・マシューが、8月12日にアジア学院にて平和をテーマにした特別講演を行いました。
トーマス・マシューはほぼ毎年、8月6日の広島平和記念式典、8月9日の長崎平和祈念式典に参列するために来日します。彼にとって平和活動は、前回紹介した社会経済的支援と並んで2本柱ともいえる重要な活動です。


彼が平和活動に熱心に取り組むようになったのはアジア学院の研修がきっかけでした。西日本研修旅行で訪れた広島で原爆という歴史に触れ、被爆者の語りを聞いたことで、彼は母国インドの核保有について問題意識を持つようになりました。「核兵器は他の兵器と次元が違います。人類や自然を完全に一掃する力を持っているのです。」


帰国後、何とかしてインドの人々に被爆者の話を聞いてほしいと願い、国で初めてとなる被爆者の招聘を実現しました。また、インドによる核実験後の環境や人体への深刻な影響についてのドキュメンタリーを作成するなど、核兵器の危険性についての啓発も行ってきました。
「自分が所属し、育てられてきたコミュニティでの社会奉仕はとても大切です。しかし、いくら経済が発展したとしても、平和がなければそれは長続きしません。だから、社会奉仕活動と平和活動の両方に取り組むことが私の使命なのです。」


核兵器のない世界を想像できるか、という参加者の質問に対して彼はこう答えました。
「それは私の夢です。夢は叶えなければなりません。そのために働きます。若い世代を教育しましょう。被爆者の声に耳を傾けましょう。いつか、その日はやってきます。」

講演後、トーマス・マシューにも、「わたしにとって食べものとは?」への答えをステッカーに書いていただきました。

その答えは「Food is … Peace」
食べものとは、平和です。


「Peace from Food – 食べものからの平和」寄付キャンペーン
2025年8月1日(金)~9月20日(土)
▶ キャンペーンサイト:ari.ac.jp/donate/peace2025

文、写真・江村 悠子

シリーズ記事はこちら

【「食べものからの平和」卒業生の食卓から ① — 序章】

【「食べものからの平和」卒業生の食卓から ② 】

【「食べものからの平和」卒業生の食卓から ③ 】

【「食べものからの平和」卒業生の食卓から ④ 】

【「食べものからの平和」卒業生の食卓から 番外編 】← 今ここ

食べものからの平和キャンペーン
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