2月19日から28日まで、「体感!農村リーダーのくらし・生き方」をテーマに掲げ、参加者10名・同行職員2名の計12名で、アジア学院のインドネシアスタディツアーに行ってきました。全3回に分けてお届けするレポートの第1回目は、北スマトラ州シボロンボロンでの日々をお届けします。
成田やマレーシアなどを経由し、メダンの空港で初めて参加者全員が顔合わせ。期待と緊張が入り交じる中、笑顔で迎えてくれた現地の卒業生たちに連れられ、いよいよ旅がスタートしました。
最初の滞在先までは空港から車で約7時間。その道中、卒業生ジュンピーター・パクパハンが携わる障がい者支援団体の施設を訪問し、インドネシアの伝統的な布製品であるバティック作りを見学・体験しました(ジュンピーターの取り組みは第3回でたっぷりお伝えします。お楽しみに)。
そうして到着した最初の滞在先は、アジア学院卒業生のフェニー・タンプボロン(2005年卒/2012年研究科生)と石田賢吾(2012年卒)が営む「ケニーズファーム(Kenny’s Farm)」です。ここでは「フードフォレスト(食べられる森)」を用いた、自然と調和した持続可能な暮らしが実践されています。

■ トラベルログ:ケニーズファームに「どっぷり浸かる」日々
滞在中は、単なるお客さんとしての見学ではありません。実際に彼らの生活のサイクルに入り込み、土の匂いを嗅ぎ、農と食を共にするプログラムが組まれました。
・授業とフィールドツアー: 賢吾さんの熱のこもった言葉から「フードフォレストとは何か?」を直接学び、実際の農場へ。森そのものがスーパーマーケットのような豊かな環境を歩き、土に触れ、共に汗を流して農作業を行いました。
・共に作る食事: 毎日いただく食事は、フェニーさんと共に自分たちで地元の食材を調理しました。食材の命に感謝し、仲間と協力して地元料理や食品加工を行うプロセスは、まさに「食べることは生きること」を体感する時間でした。
・参加者同士で場を創る「夜のリフレクション」:
実は、このツアーの深い学びを根底で支えていたのは、毎晩行われたリフレクション(振り返り)の時間でした。
毎晩、代わる代わる参加者がリードしつつ、各自がその日に学んだことや感じたことを振り返りました。ある時は非暴力コミュニケーション(NVC)の手法を用いて語り合い、ある夜には言葉を手放してフードフォレストの中で「歩く黙想」をしました。
自己開示を重ねつつ、参加者がお互いに深め合う場を自ら作り上げ、より高い感度でスタディツアーのコンテンツを味わっていきました。
■ 参加者からの声(事後アンケートより)
ケニーズファームでの数日間、そして夜のリフレクションを通して、参加者は自分自身の「豊かさ」や「生き方」を根底から見つめ直すことになりました。アンケートに寄せられた気づきの数々を紹介します。
「豊かで多様な食物が自分のすぐそばで得られるという驚きがあり、狩猟採集と農業を合わせたような新しい可能性を知れました」
「フードフォレストがマーケットである生活はとても魅力的でした」
「最大の学びは、信念を持って働く人の崇高さ、美しさです」
「現代でもなお、もしくは現代だからこそ、自然環境と調和して生きている人たちの生き方に興味があると気づきました」
「参加者と思いの共有をできたり、自分の体と心を見つめる練習など、期待以上の出会いがありました」
「自然と調和した生き方」というアジア学院の理念。それがインドネシアの地でしっかりと根を張って力強く実践されている姿が、参加者一人ひとりの心に刻まれるファームステイとなりました。
フェニーさん、賢吾さんの取り組みや生き様については、以前「食べものからの平和」シリーズとして投稿した記事もぜひご覧ください。
次回【第2回】では、力強くエネルギッシュに地域を牽引するガニ・シラバン、ランピタ・シラバンのコーヒー生産者組合への訪問や、現地家庭でのホームステイの様子をお届けします。





