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平和に思いをはせる、創立記念日

第54回目の創立記念日である9月16日、アジア学院では記念礼拝が持たれ、創設者の一人、髙見敏弘氏の妻の信子さんによる草創期の話などのプログラムの後、荒川 治校長より、アジア学院の平和宣言が発表されました。

お昼からは近くの公園でコミュニティイベントを行い、グループに分かれて、音楽や詩、ダンス、演劇で平和を表現したり、ゲームを通して相互理解と親睦を深めました。

アジア学院の平和宣言は、2007年に「土からの平和」をテーマとしたシンポジウムで発表された、平和に関する共同決議と宣言を土台にして、今年のコミュニティメンバーの意見や昨今の世界情勢を鑑みて作成されたもので、学院の大切なテーマの一つである「土からの平和」に関する考え方や、核に対する責任が追記されるなどして、戦争責任に対する学院の姿勢がより明確になっています。

第二次世界大戦下に日本が侵略した地域の学生を、毎年受け入れるアジア学院にとって、戦争責任は永遠に逃れられないテーマです。校長の荒川は、25年前、アジア学院に赴任して初めての年、学生たちと広島の原爆資料館を訪れ、語り部の被爆者の方に対して、あるインドネシアの学生が言った「原爆が落ちたおかげで、私の国は救われた」という言葉に大きな衝撃を受けました。それは、日本の侵略によって深く傷ついた家族の記憶から出た言葉でした。その学生にとって戦争の終結は、命と尊厳の回復を意味していたのです。
原爆の投下を正当化することは許されることではありませんが、いずれの立場の悲劇も歴史の真実も、決して忘れてはならないことです。だから、多様な民族、文化背景を持つメンバーが集うアジア学院が戦争の歴史に対する向き合い方を明らかにすることは、重要な意味を持つと私たちは考えています。

荒川は語ります。
「私は、戦争に傾く時代の空気や核による抑止を正当化する議論に対して、いのちと尊厳を守る立場から、戦争そのものに反対したい。平和とは、ただ争いがない状態ではなく、違いや痛みに向き合い、誠実に関係を築くこと。その姿勢こそが、“共に生きる”社会の土台なのだと私は信じている。」

アジア学院 平和宣言 ―戦後80年を迎えて― の全文はこちら:https://ari.ac.jp/asian-rural-institute-peace-declaration/

食べものからの平和キャンペーン
PEACE from FOOD Donation Campaign