8月にアフリカを訪れた、アジア学院職員スティーブンが書く旅行記を、シリーズで皆様にお届けしています。
いよいよ旅も終わりに差し掛かってきましたが、最後の目的地であるECHO会議の会場へ行く前に、卒業生の活動をもう一つ視察しました。1,700人もの少女たちが学校の中退を免れたのは、ヴェー(2018年卒)がアジア学院で学んだ、ある技術のおかげでした!
それでは早速、アフリカの旅へ出発です!
【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 19日目】
ECHO
ECHO東アフリカ主催の会議とAFARI(アジア学院北米後援会)主催のアジア学院卒業生の会議に出席するため、我々は今日、リロングウェに向かう。ECHOは、世界中の小規模農家に研修機会を提供している、とても素晴らしい組織だ。彼らの価値観やアプローチはアジア学院のそれとよく似ている。実際、私がECHOのスタッフに初めて会ったとき、こう言われた。「あぁ、アジア学院の方ですか。私たちの研修会で、すでに私たちの有機農業技術を熟知している人たちによく出会います。どこで学んだのか尋ねると、アジア学院で、という答えが返ってくるんです! やっとお会いできて嬉しいです!」
マックの新しい団体
マリンディを出発する前に、マクドナルドが昨年立ち上げたアナマジェロ・チャリティ・トラストという団体について、パワーポイントを使ったプレゼンテーションをしてくれた。この名前は彼の母親のニックネームに由来し、この組織自体が、自分のことを考えず、いつも隣人に分け与えていた母親から着想を得たものだという。要するに、このチャリティーの焦点は、子どもの支援や学校の改築といったことを含んだ、教育にある。最近のプロジェクトのひとつは、サイクロン・フレディで倒壊した近隣の学校を再建することだった。マクドナルドはスタッフの何人かをアジア学院に送りたいと考えているが、学院の方針に従うと、もう少し組織の成熟を待つ必要がありそうだ。
リロングウェまでのドライブは順調だった。ヤギの渋滞や警察の検問にはとっくに慣れていたからだ。マクドナルドがひげを生やしているから罰金!という警察官もいた。 (もちろんこれは冗談。でも本当にいるかも…?)
ヴェーが地上波に登場!
リロングウェで、我々は再びヴェー(2018年アジア学院卒)に会った。以前にも少し触れたが、ヴェーはZodiacラジオのパーソナリティで、農民向けの番組を、早朝に担当している。彼女の夫は政府の衛生管理局で働いているので、町中でゴミを見かけたら彼に文句を言うようにと言われた!ヴェーはリロングウェの高級住宅街に家を構える都会っ子のように見えるが、私は彼女の姿勢がとても好きだ。彼女はコミュニティの役に立てる機会を求めて積極的に出かけており、その活動を熱心に見せてくれた。
ヴェーは1,700名の少女を学校に通わせ続ける支援をしている!
「4人の少女が早婚を免れたの。」と、ヴェーは我々を地元の学校まで車で送りながら説明してくれた。「え?どういうこと?」と私は尋ねた。「生理用ナプキン・プロジェクトのおかげよ。女の子は思春期を迎えると学校を中退してしまう。生理用ナプキンがないから、毎月、生理の一週間は学校を休んでしまい、結局挫折して辞めてしまうの。その後の選択肢はほとんどないし、早いと14歳で結婚させられる子もいる。」
アジア学院で、再利用可能な布ナプキンの作り方を学んだヴェーは、帰国後、自宅からほど近いドゼンザ小学校の校長に、この技術を女の子たちに教えさせてもらえないかと持ちかけた。「問題ありません。すぐに始めてください。」と即答された。このような話題は、この社会ではタブーだとみなされかねないので、驚きだったという。抵抗にあうかと思ったが、そのようなこともなかった。
こうして、この7年間、ヴェーは少女たちに布ナプキンの作り方を教え続けている。2,300名の生徒の3/4が女性なので、この製品の需要には事欠かない。現在、学校はこの布ナプキンを作るための仕立て屋を雇っているが、ヴェーは少女たちが自分たちで作る方法も確実に学べるようにしている。我々は、中学受験を間近に控えた、“ヴェーの娘たち”に会った。 ヴェーはこの子たちの成長を見守ってきた。そして、彼女たちが学校に残り、恐れずに夢を抱き続けていることを誇りに思っている。ヴェーの存在自体も少女たちにインスピレーションを与えている。彼女は成功をおさめ、自分に自信を持っている。そして、子供たちが公共の電波で聴く彼女の滑らかなラジオ・ボイスは、最高にかっこいい!
いくつか補足しておくが、この学校は1928年に長老派のミッションスクールとして設立され、敷地内にある教会は1932年に建てられた。教室の一つでは、空手の練習をしている子供たちも見かけた。日本の青年海外協力隊のプロジェクトなのだろうか?彼らは世界中の子供たちにスポーツ、特に空手を教えていることで有名だ!
そして最後に、ヴェーはアジア学院で出会ったミッション・インターンの資金で建設された井戸を見せてくれた。彼のニックネームは“キング”だが、皆、そう呼んでいたので本名は覚えていない。残念ながら井戸は涸れてしまったので、復活させる方法を調べないといけないそうだ。
家族の大きな抱擁
その晩、我々4人(ヴェー、マクドナルド、カイ、スティーブン)は、ECHO東アフリカ会議の会場となる大きなホテル・リンデを目指し、ムポネラに北上した。ここはアジア学院の卒業生の会議会場でもあり、とても楽しみにしている。シエラレオネのマンブッとリベリアのパトリックがすでに到着していて、アジア学院の熱烈な抱擁で出迎えてくれた。世界をまたぐアジア学院のネットワークは、本当に大きな家族だ。この2人の卒業生とその他の会議については、次の回で詳しく話すつもりだが、今はぐっすり眠ることにしよう。
文:スティーブン・カッティング(卒業生アウトリーチ担当)
旅の同行者:篠田 快(学生募集、採用担当)
シリーズ記事はこちら
Vol.18 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 19日目】<== 今ここ!
Vol.19 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 20-23日目 その1】To Be Continued …