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農村指導者たち ― アフリカ旅行記 Vol. 9

ザンビア、マラウイの卒業生を訪ねる旅 2024

8月にアフリカを訪れた、アジア学院職員スティーブンが書く旅行記を、シリーズで皆様にお届けしています。
予定通りにいかないのが旅と言うもの。でもその道のりも、ちょっとした心構えと、楽しい仲間がいれば大丈夫!
それでは早速、アフリカの旅へ出発です!

【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 10日目】

KMSCとの朝食
ルサカに戻るのは長旅なので、ジョンとジュディは早朝に出発したいと願っていた。少し車を修理しなければならなかったのだが、夜にそれをやってくれる整備士を見つけたので、朝には車を手に入れられる算段だった。こんなサービス考えられるだろうか?本当にすごい!
こんなにできる限りの努力を尽くしたというのに、我々は午前11時まで出発することができなかった。というのも、どうしてもサンバが、彼と共に働いている団体の人々と我々を引き合わせたいと言ったからだ。

団体は、キー・マネージメント・ソリューションズ・コンサルタンツ(KMSC)という名で、2023年に登録されたばかりだった。高級なホテルでビュッフェ形式の朝食(もちろんコーヒーも!)をいただきながら、カイと私は2人の創業者に話を聞いた。フェリックスという退職した教師と、デイビッドという牧師だ。サンバは、最近この2人と連携して仕事をしているという。と言うのも、2年後に55歳で退職を控えており、将来の計画を立てたいと考えているからだ。KMSCは研修に重点を置いているので、サンバの長い教職歴と経験に合致している。彼らは18-35歳の若者の権利や能力を高めるための、技術研修を行いたいと考えている。具体的にどのような活動がすでに行われているかははっきりと分からなかったが、コンピューターの研修はすでに行われているようだ。計画されている教育内容としては、運転や調理、溶接、機械工、農業がある。彼らの目的は、自分たちで小さなビジネスを始められるような技術を教えることにあり、起業家を生み出したいと考えている。

フェリックスは鉱山労働者についても語った。ザンビアのこの辺りの地域は、銅山地帯と呼ばれ、毎日何トンもの銅が採掘されている。採掘労働は人体に大きな負担がかかるため、鉱夫たちは55歳で定年を迎える(その年齢まで働ければ、の話だが)。退職金としてまとまった金額が支給されるのだが、労働者たちは人生でこれほどの大金を目にしたことがなく、多くは狂ったようになって、湯水のように使い切ってしまう!KMSCは「金融に関する知識を身につける」プログラムを開始し、55歳以降の長期的な「ライフプラン」の作成を支援したいと考えている。この組織が軌道に乗ったら、サンバは、アジア学院の研修に職員を送りたいと願っているようだ。

我慢時計
遅い出発は、遅い到着を意味する。ジュディは、日没までには家に着くと言ったが、我々は到着した時にはもう(私の読み通り)真夜中だった。これには、ぐにゃぐにゃの道も関係しているが、素晴らしい自家製の家庭料理を食べるべく、またもや、フリンギラに立ち寄ったことも関係している!あそこに行くだけのために、またザンビアに戻って来たいとさえ思ってしまう。
私は、通常の予想よりもずっと遅い時間に、自分の「我慢時計」を設定することにしている。こうすることで、旅行中のきつくなりそうな状況に耐えることができる。物事がスムーズに進むと期待してしまうと、そうでなかった時にがっくりしてしまう。物事が予想よりずっと難しく、長くかかることを想定して計画を立てれば、ずっと上手くいくはずだ。こうやって、ジュディが19時頃になると言っていたにもかかわらず、到着を真夜中と予測したことで、多くのフラストレーションが解消された!これが「我慢時計」だ。

ジュディの高見先生(アジア学院の創立者の一人)との思い出
車中にて、ジュディは、また別のアジア学院での話をしてくれた。これは高見先生に関する話だった。
朝の集いの直前、彼女は高見先生のズボンのチャックが開いていることに気が付いた。先生がその日の話者だったので、それを伝えたかったが、直接言うのはあまりに恥ずかしかった。だから、彼女はボンドに、高見先生に伝えるように頼んだ。ボンドはリベリアからの学生だったが、彼女いわく、あまり賢くなかった。
彼は先生のところへ行き、こう言った。「ジュディが私に、先生のチャックが開いていると言いました。」
あ~!
ジュディは大恥をかいた。でもこれで終わりではなかった。

高見先生は、会の始め、開口一番にこう言った。「ジュディ、チャックが開いていると教えてくれてありがとう。」
全員の目の前でだ!皆、大爆笑だった。
気の毒なジュディ。でも彼女は、真に謙遜で、思いやりのある人物だけが、こんな冗談を言うことができるのだと感じたそうだ。

2001年度 卒業式の写真。中央の黒いスーツで笑顔の人物が、高見 敏弘先生。右端の緑の服の女性が、当時学生だったジュディ



文:スティーブン・カッティング(卒業生アウトリーチ担当)
旅の同行者:篠田 快(学生募集、採用担当)


シリーズ記事はこちら

Vol.0 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 序章】

Vol.1 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 1-2日目】 

Vol.2 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 3日目】

Vol.3 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 4日目】

Vol.4 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 5日目】

Vol.5 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 6日目】

Vol.6 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 7日目】

Vol.7 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 8日目】

Vol.8 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 9日目】

Vol.9 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 10日目】<== 今ここ!

Vol.10 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 11日目】To Be Continued …


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