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農村指導者たち ― アフリカ旅行記 Vol. 1

ザンビア、マラウイの卒業生を訪ねる旅 2024

今年の8月、アジア学院の職員が、アフリカのザンビア、マラウイを旅して、計23名の卒業生を訪ねました。
そこで、スティーブンが書く旅行記を、シリーズで皆様にお届けしています。

いよいよ今回から本編に突入です。ザンビアに着くまでの長い長い道のりを、二人と一緒に辿ってみましょう。
それでは早速、アフリカの旅に出発です!

【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 1-2日目】

ザンビアへの道のり
この最初の旅行記では2日間のことをまとめて記そうと思う。というのも、この2日間が長い1日のように思えたからだ。
4回のフライトで複数のタイムゾーンを横断し、時間と空間はまるで分厚い毛布のようにぎゅっと圧縮された感じだった。

私は羽田空港で、心強い旅のパートナー、カイと合流し、アジア学院のみんなからアフリカの卒業生へと託された、様々なお土産の重量を確認した。
コロナ禍に空っぽだった空港とはうって変わり、セキュリティと入国審査には長蛇の列ができていた。
実は私の、大分からの最初のフライトが遅れていたため、私たちがゲートに到着した時には、すでに人々は搭乗を始めていた。

我々は、まず香港を経由し、トランジットに十分な時間があったので、カイの友人に勧められた素晴らしい牛肉の麺料理を堪能した。
食べてみたいと思った人のために記しておくが、「Masatoレストラン」のメニュー701番だ。

それから次の飛行機に飛び乗り、ヨハネスブルグまで12時間のフライト(ちなみに、その前のフライトは3時間半だった)。同じ列に座ったのは中国から来た若い女性だった。広州の南方大学で英語と異文化コミュニケーションを教えているという。
カイは彼女にアジア学院のことを話し始めた。彼女は非常に興味を持ってくれて、ボランティアとして参加したいとまで言ってくれた!

幸運なことに、ヨハネスブルグでの地域航空会社エアリンクへの乗り換えはスムーズで、お腹を空かせた二人の旅人は、ブライという地元の肉料理に、クロック・マダムというフランス生まれのお洒落なトーストを添えた豪勢なランチにありつくことができた。

乾燥したボツワナを1時間半かけて横断した後、私たちはついに目的地であるザンビア・リビングストンに到着し、満面の笑みを浮かべた2023年の卒業生ジォフリーの出迎えを受けた。
広々として清潔なこの町は、ザンビアの人々にとって魅力的な観光地で、大金が動く町として珍重されている。最大の魅力は、轟音を響かせるビクトリアの滝で、偉大なるザンベジ川が断崖絶壁を越えて流れ落ちる1,500mにわたる急流のカーテンだ…というのが私の期待だったが、これについてはまた後ほど。

リビングストンとビクトリアの滝
私たちはまず、傾斜のある藁葺き屋根を持ち、アフリカン・アートで彩られたンゴマ・ザンガ・ロッジに到着した。
それから、マラリアの薬やSIMカードなどの必需品を買いに出かけた。良くあることだが、私の携帯電話ではそのSIMカードが使用できなかった。しかし、これもデジタルデトックスの良い機会だと受け取った。

ジォフリーがドライバーを手配してくれた。彼の名前はメビンと言い、トンガ語とロジ語の2つの現地語を話す。ザンビアには72の部族があり、それぞれが独自の言語と伝統を持っているので、2,3言語しか話せない人を見つける方が難しい。
メビンは、この町がいかに観光業に依存しているか、そして観光客がいかに地元の人々よりも優遇されているかについて話してくれた。例えば、プロのドライバーの立場で、もし誤って白人を轢いてしまったら、最高で25年の刑に処される。相手が黒人なら罰則は10年で、交渉も可能である!
ザンビアについてもう少し述べておく。ほとんどのゴミは、住民がそれぞれの家の近くで燃やすか埋める。市は市場のゴミは回収するが、その能力は街全体のゴミの量をカバーするには十分ではない。カイがこのことを訪ねたのは、責任あるゴミ管理は世界的にも大きな課題だからだ。
ザンビアは今年、深刻な干ばつに見舞われ、これまでに一種類の穀物が全滅し、いくつかの地域で飢餓が発生している。ザンビアの主な電力源は水力発電だが、最近の河川の水位はタービンを動かすのに十分ではなく、ロードシェディングと呼ばれる、電力会社が電力供給を一時的に遮断することによる停電が発生している。
この干ばつは、一般的にエルニーニョ現象の影響だと言われているが、そのせいで壮大なビクトリアの滝も大人しい。そのとどろきが遠くまで聞こえることはなく、レインコートが必要なほど濃い霧もないので、当分の間は立って眺めていられる。有名な水の「カーテン」は狭い滝に幾筋にも分かれ、その間にむき出しの岩が見られる。しかし、それでも目を見張る光景である。私は、この滝が再び輝きを取り戻す日を想像した。
この辺りではアドベンチャー・ツーリズムも盛んだ。世界でも有数の高さを誇るバンジージャンプや、ジップライン、渓谷ブランコ、カヤック、滝のすぐ間際にあるデビルズプールでの水泳などを体験したいなら、ここはうってつけの場所だ。

暗赤色の太陽がアフリカの大地にゆっくりと沈み、夕闇が訪れた。
時差ぼけの影響もあり、私たちは早めにホテルに戻ることにした――アフリカ式に手で食べるザンビア料理の店に立ち寄ってからの話だが。

様々な肉や野菜が、トウモロコシの粉から作られた「シマ」(フフやウガリなどアフリカ全土で様々な名前で知られる)と共に出された。この辺りではホワイトコーンが主な材料だが、キャッサバやタカキビなど他の種類の粉で作ることもある。
この説明でこの料理が何なのか全く理解できない人は、写真を見てほしい。でも、一番のおすすめは実際に行って食べてみることだ!

さて、今日残る仕事は地ビールをぐいっと飲んで、ふかふかの枕とデートすることだけだ。
おやすみなさい。

文:スティーブン・カッティング(卒業生アウトリーチ担当)
旅の同行者:篠田 快(学生募集、採用担当)

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