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足尾銅山-日本で最初の公害事件から考える真の開発

開発による環境汚染と、それに立ち向かうリーダーの姿は、アジア学院の研修の中で重要なテーマの一つです。

9月18日、学生たちは、日本で最初の公害事件である、足尾銅山鉱毒事件の関連地を巡る見学研修に出かけました。

煙害や遊水地化によって廃村となった旧松木村や旧谷中村、また足尾の堆積場の決壊によって広大な農地が被害を受けた群馬県太田市毛里田をはじめ、長距離に及ぶ様々なスポットを1日かけて回りました。

案内してくださったのは、2022年まで市民団体「田中正造大学」の事務局長を務められていた坂原辰男さん。アジア学院でも40年以上にわたり、足尾鉱毒事件と田中正造に関する授業をしてくださっています。

学生たちは自分の地域の環境や人々と重ね合わせながら、真剣に観察し、耳を傾けました。

「真の文明は山を荒さず、川を荒さず、村を破らず、人を殺さざるべし。」

足尾鉱毒事件の解決に生涯をかけた田中正造の言葉が重く響く一日でした。

夏の寄付キャンペーン「Peace from Food ― 食べものからの平和」へのご支援とご参加、どうもありがとうございました!

8月1日より始まりました夏の寄付キャンペーン「Peace from Food ― 食べものからの平和」が、本日をもって終了となりました。
アジア学院が大切にしている、「食べもの」という身近なテーマから、多くの皆さまと共に平和について、考え、分かち合う時間を持つことができました!
皆さまの温かいご支援に、心より感謝申し上げます。

アジア学院の農場では、いよいよ稲刈りが始まりました。来月の18日,19日は収穫感謝の日が持たれようとしています。
どうぞ、アジア学院にいらして、日ごろの労働や自然の恵みに感謝し、共に祝うひとときを私たちと共に過ごしてください!

「Peace from Food ― 食べものからの平和」キャンペーンをふりかえる:https://ari.ac.jp/donate/peace2025

「食べものからの平和」ー 平和への思いを調理に込めて ④

「Cooking for Peace」というテーマを聞いたとき、頭に浮かんだのは“手”のイメージでした。
畑で種をまく手、収穫する手、調理する手、配膳する手――。


 アジア学院での自給自足の暮らしの中で、私たちのごはんは本当にたくさんの“手”を通って届いているんだと実感しています。
これまで第1弾から第3弾では、キッチンメンバーにインタビューしながら、それぞれの「食」と「平和」への想いを聞いてきました。


 そして迎えた第4弾。今回は、ライターである私自身(山中この葉)がその想いを語る番です。
実は、私もキッチンメンバーのひとり。取材を通して改めて思ったのは、メンバー一人ひとりが、「食」という行為に対して、それぞれの背景や想いを持ちながらも、どこか共鳴し合う感覚を抱いているということです。
アジア学院の生活の中で、「食」と「平和」は切り離すことができません。
 キッチンで交わされる何気ない会話、小さな工夫やこだわり――。
そうした日常の一瞬一瞬が、穏やかな平和の礎となっているのだと、私は信じています。


文・山中 この葉(アジア学院 ボランティア)


シリーズ記事はこちら

【「食べものからの平和」Cooking for Peace ①】

【「食べものからの平和」Cooking for Peace ②】

【「食べものからの平和」Cooking for Peace ③】

【「食べものからの平和」Cooking for Peace ④】 ← 今ここ

アジア学院の平和宣言 ―戦後80年を迎えて―

前文

戦後80年の節目を迎えた2025年、アジア学院はここに改めて平和への決意を表明します。

戦争体験者や被爆者が年々少なくなっていく中、今を生きる者にとって戦争と核兵器の悲惨さを次世代に伝える責任はますます大きなものとなっています。2024年、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞したことは、そのことの重要性を象徴しています。また、ガザやウクライナをはじめとし、アジア学院の学生や卒業生の母国を含む世界各地で暴力と対立が続いているただ中にあって、和解と平和文化を築くことは、私たちに与えられた緊急かつ重要な使命と感じています。

アジア学院がこれまで進めてきた、自然・隣人・自分自身・神との和解の追求、またそこから生まれた「土からの平和」という根源的な希望と願いをさらに力強く推し進めるために、以下の平和宣言を作り上げました。


歴史の過ちを忘れず、平和を脅かすあらゆる力に声をあげ続ける

戦後80年の時の流れは、過去を忘れてよい免罪符ではありません。記憶を継承し、歴史の痛みに真摯に向き合うことこそが、平和を築く基盤であると私たちは信じます。日本の侵略戦争と植民地支配は、アジアの人々に深い苦しみと破壊をもたらしました。数えきれない命が奪われ、多くの共同体が傷つきました。日本の教会もまた、戦争に強く反対する声をあげず、時にそれを正当化する役割を果たしたことを、私たちは謙虚に認め、深く悔い、二度と同じ過ちを繰り返さないことを誓います。

私たちは広島と長崎の惨禍を思い起こし、核兵器の廃絶を強く訴えます。核抑止力に基づく安全保障の論理は、真の平和をもたらすものではありません。すべてのいのちを脅かす核兵器に対し、私たちは明確に「ノー」を宣言します。


自由と正義、差別の克服に根ざした平和な社会の構築

今日、世界は戦争と暴力の連鎖、核兵器の脅威、気候変動、食料不安、精神的断絶といった地球規模の危機に直面しています。しかし、私たちは自由と正義、差別の克服に根ざした社会を創り出す可能性を信じています。

身体的・社会的属性に基づく差別を乗り越え、軍事力や武力による支配ではなく、調和・共生・協力が基盤となる世界を目指します。私たちは、平和は家庭から始まると考え、まず家庭において平和の器となることを重んじます。自らの内に、家庭に、地域社会全体に平和を築き、それを通して世界の平和と正義に取り組むのです。

政治的排除、ジェンダーに基づく暴力、軍事化の圧力に直面しても、私たちは地域の現場で連帯の声をあげ続けます。平和構築、紛争解決、仲裁、非暴力コミュニケーションを推進し、人々が平和を人生の最優先事項に据えるよう働きかけます。また、新しい技術も平和のために用い、情報の自由で公正な流れを確保し、それを地域と個人レベルでの平和に役立てていきます。


地域社会に仕えるリーダーを育成し、共に平和の器となる

アジア学院は草の根のリーダーの育成を通じて、不平等や不正義、脆弱な地域社会の課題に取り組むことを誓います。土地や食料の権利、地域主導の発展を平和構築の柱とし、経済的不安定や気候変動の中で地域のレジリエンスや災害への備えを育みます。また、すべての人に全人的な教育の機会を提供し、身体的・精神的・霊的に健全な社会づくりに貢献します。さらに、アジア学院の価値観を世界的ネットワークを通じて共有することで、平和への貢献を広げます。


土からの平和

土を耕し、食べものをつくり、共に喜びをもって食卓を囲む営みは、すべてのいのちが互いに支え合って生きていることを教えてくれます。私たちは、自然生態系の一部として生かされていることを強く自覚し、すべての被造物と共に生きることを強く望みます。

自然を搾取し破壊する自己中心的なあり方は、いのちを脅かし、種の絶滅さえ招きます。戦争もまたいのちの尊厳を無視した自己中心的なあり方が原因です。自然破壊と戦争は同じ根を持つのです。だからこそ平和を実現する人は、自然、隣人、自分自身、そして神と和解することが必要不可欠です。

平和は自らの内から始まり、食卓に食べものがあるとき、地域社会において平和と幸福が可能なものとなります。種子の主権を守り、土を壊さずに食料を育むことは、平和と安全保障の根幹です。自然と調和した営みこそ、平和を育む確かな基盤を築きます。

アジア学院は、この「土からの平和」の種を蒔き、広げていくことを目指します。


結び

平和は与えられるものではなく、日々の選択と実践を通して築かれるものです。私たちは建学の理念に導かれ、土から、共同体から、心の内から平和を創り出す道を歩み続けます。戦後80年という節目に、過去を悔い改め、未来に希望をつなぐために、ここに平和の誓いを新たにいたします。

平和に思いをはせる、創立記念日

第54回目の創立記念日である9月16日、アジア学院では記念礼拝が持たれ、創設者の一人、髙見敏弘氏の妻の信子さんによる草創期の話などのプログラムの後、荒川 治校長より、アジア学院の平和宣言が発表されました。

お昼からは近くの公園でコミュニティイベントを行い、グループに分かれて、音楽や詩、ダンス、演劇で平和を表現したり、ゲームを通して相互理解と親睦を深めました。

アジア学院の平和宣言は、2007年に「土からの平和」をテーマとしたシンポジウムで発表された、平和に関する共同決議と宣言を土台にして、今年のコミュニティメンバーの意見や昨今の世界情勢を鑑みて作成されたもので、学院の大切なテーマの一つである「土からの平和」に関する考え方や、核に対する責任が追記されるなどして、戦争責任に対する学院の姿勢がより明確になっています。

第二次世界大戦下に日本が侵略した地域の学生を、毎年受け入れるアジア学院にとって、戦争責任は永遠に逃れられないテーマです。校長の荒川は、25年前、アジア学院に赴任して初めての年、学生たちと広島の原爆資料館を訪れ、語り部の被爆者の方に対して、あるインドネシアの学生が言った「原爆が落ちたおかげで、私の国は救われた」という言葉に大きな衝撃を受けました。それは、日本の侵略によって深く傷ついた家族の記憶から出た言葉でした。その学生にとって戦争の終結は、命と尊厳の回復を意味していたのです。
原爆の投下を正当化することは許されることではありませんが、いずれの立場の悲劇も歴史の真実も、決して忘れてはならないことです。だから、多様な民族、文化背景を持つメンバーが集うアジア学院が戦争の歴史に対する向き合い方を明らかにすることは、重要な意味を持つと私たちは考えています。

荒川は語ります。
「私は、戦争に傾く時代の空気や核による抑止を正当化する議論に対して、いのちと尊厳を守る立場から、戦争そのものに反対したい。平和とは、ただ争いがない状態ではなく、違いや痛みに向き合い、誠実に関係を築くこと。その姿勢こそが、“共に生きる”社会の土台なのだと私は信じている。」

アジア学院 平和宣言 ―戦後80年を迎えて― の全文はこちら:https://ari.ac.jp/asian-rural-institute-peace-declaration/

キャンペーン終了まで、あと3日!

夏の寄付キャンペーン Peace from Food「食べものからの平和」特典のご案内

現在、9月21日(日)までにキャンペーンサイトより【新規マンスリーサポーター(継続寄付)】としてご支援をお申込みくださった方に、限定デザインのTシャツを贈呈しています

今回のデザインは、シックで温かみのある、ハーベストゴールドカラーの上に、今が旬のとうもろこしがデザインされており、夏のアジア学院ならではの、完全オリジナルな1着。
日常にもなじむ落ち着いた色合いで、幅広い世代にご着用いただけます。
サイズは S・M・L・XL の4種類。
写真のモデルは…

1枚目:135cm / 162cm → S・Mサイズ着用
2枚目:178cm → Lサイズ着用
3枚目:170cm → XLサイズ着用

この機会に、ぜひマンスリーサポーターとして「食べものからの平和」を共につくっていきませんか?

 詳しくはこちら
https://ari.ac.jp/donate/peace2025?ari=news
※すでにご支援くださっているサポーターの皆さまにも、Tシャツを本体価格¥1,500+送料にてご提供いたします。ご希望の方は下記までお問い合わせください。

[email protected]

「食べものからの平和」寄付キャンペーン特別企画「Food is … わたしにとって食べものとは?」サポーターメッセージ(6)


週に1度の「Peace from Food – 食べものからの平和」特別企画として、アジア学院を応援してくださるサポーターの方々から、メッセージをいただいています。

第6回は、自然農園ウレシパモシリ酒匂徹さんの「Food is …」メッセージをご紹介します。

「Food is … 命の糧」
私達は自然栽培農家として、作物や家畜たちそれぞれが本来の力を十分に発揮して活き活きと命を輝かせることができるように寄り添うことを心掛けています。
そんな生命力に満ち溢れた存在を『命の糧』としていただくことが、物質的な栄養を得られる以上に、輝く生命力そのものこそが、私たちも自分らしく本来の力を発揮して前向きに愛と平和を生きるエネルギー源となってくれると信じているからです。

自然農園ウレシパモシリ: 自然農園ウレシパモシリ (@ureshipa_moshiri) • Instagram photos and videos

 ウレシパモシリとは、『この自然界そのもの・・・あらゆる命ある生きものがお互いを育
みあっているこの現実世界』という意味のアイヌ語です。
 『お互いを育みあっている』つながりを実感できるような農園を目指して、パー
マカルチャー、自然栽培、アグロエコロジーを岩手の山間で30年実践していま
す。高校生の時のアジア学院との出会いから40年、『共に生きるために』何が
できるかを求め続けています。

「Peace from Food – 食べものからの平和」寄付キャンペーン 2025年8月1日(金)~9月21日(日)
キャンペーンサイト:ari.ac.jp/donate/peace2025
期間中は毎日、InstagramやFacebookのストーリーで「わたしにとって食べものとは?」をテーマに、コミュニティメンバーやサポーターの声をお届けします。 これまでのストーリーはInstagramのハイライトからもご覧いただけます。

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