実を結んだ50年、これからも播き続ける

アジア学院校長 荒川朋子

 アジア学院のこれまでの50年間の歩みを振り返るとき、私たちは感謝と謙遜の念に満たされます。「持続可能な農業と生き方を身に着けた農村指導者たちの育成を通じて、健全な環境を持ち公正かつ平和な世界を構築する」という学院の使命に導かれて歩みを進める中で、世界中の数えきれない農村コミュニティを力づけてきました。これは多くの方々の信頼と参加がなければ成しえなかったことです。このことを覚えて、「共に生きるために」の精神のもと、アジア学院ファミリーの皆様と共に、この時を喜び祝いたいと思います。


 50周年にあたり、私たちは学院の使命を改めて確認し、農村の未来のために共に学ぶことに力を尽くします。私たちが目指す未来とは、人と土とが互いを大切にする未来です。このために、私たちは環境への意識、 フードライフ、サーバントリーダーシップ、自己の気づき、そして霊性を中心に据えた教育プログラムを通じて、学びのコミュニティを広げていきたいと考えます。これらのプログラムの価値観と技術は学ぶ人々にとって大きな気づきとなり、次世代のための建設的な行動を起こしていくきっかけになるでしょう。

 私たちは、アジア学院を組織として強くしていくにあたり、学院キャンパスのコミュニティから得られる学びを理解し、利用し、分かち合うことに重点的に取り組みます。この「ホール・キャンパス・アプローチ」では、フードライフ、教育、気候正義と気候変動対策、組織のレジリエンス (回復力) への総合的な取り組みを通じて、「土からの平和」をより深め、また伝えていくことを目指します。