8月にアフリカを訪れた、アジア学院職員スティーブンが書く旅行記を、シリーズで皆様にお届けしています。
旅のフィナーレを飾るのは、ECHO東アフリカ会議!前半では、その会議の様子や興味深かったトピックやアイデアについてお伝えします。それでは早速、アフリカの旅へ出発です!
【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 20-23日目 その1】
ECHO東アフリカ会議
さて、我々は、東、中央、南アフリカ全土から集まった人々が、自分たちや地域の農家の直面している問題や、その問題に取り組むための創造的な方法について話す会議へとやってきた。正式名称は「持続可能な農業と適正技術の有益な取り組みに関する、ECHO東アフリカとカナダ食糧穀物銀行の共同シンポジウム」。 私はあまりメモを取りすぎず、ただ話を聞き、物事を受け止めようと心掛けたので、この記事はあまり長くなりそうもない! ふぅー!
カイと私がここにいる大きな理由の一つは、アジア学院のネットワーク作りと認知で、カイが、アクティブ・リクルートメントと呼んでいるものだ。その中で、思いがけず出会ったうちの一人が、アーウィンだった。アーウィンはECHOの創設者で、結果、彼はタンザニアのアルーシャに30年以上住んでいる。彼はとても物腰が柔らかく、のんびりしているが、文化的、アフリカの文脈的、小規模農家的(本当の農家ではないが、私の言いたいことはわかるだろう)にあらゆることに精通している。
多くの有能で賢いコミュニティ・リーダーたちに出会えたことも驚きだった。この人たちはアフリカにやってきて、アフリカ人のやっていることは間違っていて、どうすればうまくいくかについて語るような「第三者」ではない。「第一人者」であり、現地や、コミュニティに身を置き、「この人たちは自分の仲間だ」という人たちなのだ。この人たちが、自分たちの人々、問題、そして生活を改善するための自身のアプローチについて雄弁に語るのを聞くことは、とても有意義だった。アジア学院はこういう人たちのためにあるのだ。食事の時間には、話をしてお互いのことを知ったり、アジア学院について分かち合ったりする機会があり、生き生きとした会話がなされた。
短い抜粋
ANAMED – 意識改革
ANAMEDは自然療法を推進する国際組織である。発表者のご夫妻は、長くマラウイで生活し、仕事をしてきた(30年くらい)。彼らの話の大前提は、持続可能な農業に関する「意識改革」で、彼らは農民たちと長期にわたって協働している。これは、外部の専門家がやってきて、村でプロジェクトを行い、去っていくというプロジェクト・アプローチとは全く対照的である。これでは結局、ほとんど変わらない。個人や集団の意識を変えるには、長期的な取り組みと献身が必要だ。アジア学院の卒業生たちは、意識改革は大きな挑戦であると同時に非常に重要なことだとよく話している!
ANAMEDという名前には聞き覚えがあったが、発表の最中、ようやくその理由を思い出した。カメルーンにいるアジア学院の卒業生が、ANAMEDと提携しているのだ。彼らはあらゆる種類の生薬を製造している。そこは農村変革センター(Rural Transformation Center)と呼ばれ、コリンズとベンという2人の卒業生がいる。
村の貯蓄貸付グループ(VSL)
このプレゼンテーションは、私が長い間抱いていた疑問に答えてくれるものだった。村の貯蓄貸付グループ(VSL)は、農村部の人々が自分たちのお金を貯めてプールし、それを互いに融通し合って小口の融資を受けられる素晴らしい方法である。今回の講演で私は、消費と投資という2つの主な借り入れのカテゴリーについて学んだ。消費ローンは、学費や医療費、家の購入など、出費のためにお金を借りることだ。この種のローンは、村人が前もって多額の資金を必要とする際に役立つが、現時点の収入で返済しなければならない。一方、投資ローンは、ビジネス目的で資金を借りるもので、その資金がより多くの収入をもたらすようになる!つまり、投資ローンのほうが、村の経済を成長させるのに、より適しているのだ。これは私にとって、銀行の入門授業になった。
上げ床花壇(Raised beds)
このプレゼンテーションは、アジア学院の卒業生であるリベリアのパトリック・クリエ(2019年卒)によるものだ。彼は上げ床花壇で苗を育てており、以下は私が書き留めた、いくつかのポイントだ。
・フレームは竹で作られている(まさに地域資源)。
・土は熱湯で消毒し、雑草の種を殺す。
・苗床を高くすることで、体の不自由な人でも苗を育てやすくしている。
・苗は簡単に庭に移植したり、地元の農家に販売したりすることができる。
松葉杖での農業
このセッションには、アジア学院の卒業生でシエラレオネ出身のマンブッ・サマイ(2018年卒)も登壇した。彼は20年以上続けている、下肢切断者との働きについて話した。すべては彼が下肢切断者スポーツ協会を結成したことから始まった。アジア学院の後、彼はメンバーに農業で生計を立てる方法を教えるパーマカルチャーの事業を始めた。 私は個人的に彼の話をよく知っているので、メモを取らなかったが、近いうちにもっと詳しく紹介したいと考えている。それまでは、2019年に制作されたこのビデオをご覧いただきたい。 私は撮影者と一緒にその場にいたが、カメラの邪魔にならないように全力を尽くした。
彼の発表で最も印象に残ったのは、“パーマカルチャー・カップル”の写真だった。マンブッは、この農場で働いて知り合った人たちの結婚式を、少なくとも2度執り行っている!
皆さんに話しただろうか?彼は牧師でもあるのだ。
食事中のふとした会話から得られた言葉
食事は楽しい時間の一つだった。美味しい料理を食べるのが好きだからというだけでなく、活気のある会話ができたからだ。以下は、ある人が農業大学の校長から言われた言葉である。申し訳ないが記憶力が悪いので、校長や大学の名前を挙げることはできないが、アジア学院の入学案内パンフレットにはぴったりだと思った。
「土に触れたくないなら、ここに来るな。」
「すでに充分知っていると思うなら、ここに来るな。」
チャヤ
これは、全体的に一番好きなプレゼンテーションだった。発表者の女性はとても情熱的で、明瞭で、誰でも思わず駆け出して、チャヤを育てて夕食にしたくなるような話だった。チャヤは灌木の一種で、その葉を食べることができる。様々な気候や土壌で育ち、ほうれん草よりも栄養価が高い。彼女はアフリカの国別の野菜消費量と平均寿命のグラフを見せた。 この2つには直接的な相関関係があり、「野菜を食べましょう」というのが彼女の強いメッセージだった。彼女たちはチャヤの挿し木もいくつか持ってきており、土に挿して水をあげれば育つのだという。でも、必ず正しい方向に植えないといけない。「どっちが上か分かる?私たちが教えます!」
彼女の話の中で最も印象深かったのは、レリッシュについての話だった。ここでいうレリッシュとはソースやスープのことで、アフリカの食事には必ずと言っていいほど登場する。伝統的に、「女性の価値はレリッシュで決まる」と彼女は説明した。「もし男性に5人の妻がいたとしても、一番おいしいレリッシュを作る妻と寝食を共にするのです!」遠回しに言えば、これはもっと野菜を食べること、特にチャヤを食べることにつながっているのだろう!
世界各国からの祈り
最終日の2日前の夜、ECHOは、世界の他の地域ではバーベキューとして知られている、食欲をそそるブライをメインとした盛大な夕食会を催した。続いて伝統舞踊が披露され、卒業生たちも参加した。最後に「世界各国からの祈り」があった。これは、その場にいるすべての言語話者の代表が招かれ、祈りを捧げるという感動的な体験だ。何らかの理由でカイが不在だったため、私は人生で2度目となる日本語の祈りを捧げた。他に日本語を話す人はいないので、私の間違いは誰にもわからないだろうし、どんなにひどい失敗をしても、神様にはその意味が伝わると確信している。だから、心配はいらない!少なくとも30名以上の代表者が一列に並び、一人ずつ祈っていった。もしECHOの大会に参加する機会があれば、ぜひこの機会をお見逃しなく!
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文:スティーブン・カッティング(卒業生アウトリーチ担当)
旅の同行者:篠田 快(学生募集、採用担当)
シリーズ記事はこちら
Vol.19 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 20-23日目 その1】<== 今ここ!
Vol.20 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 20-23日目 その2】To Be Continued …
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良いスライドだ!
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