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6日目 その2

2025年 2月10日 月曜日

南インド & ウッタラーカンド州 編


多忙なシビ

現在、シビはヴァナムーリカの職員ではないが、今でも要請があれば有機農業のさまざまな研修を行うなど、彼らをサポートし続けている。現在は、四年前に結成された新しい協同組合の有機認証取得を支援している最中だ。自身の12エーカーの農地でも、黒胡椒、ココナッツ、ナツメグ、クローブ、お米、コーヒー、そして野菜を育てている。また、南アジアや東南アジアで人々の舌や唇を赤く染める、「アレカナッツ」も栽培している。別名「ビートルナッツ」としても知られ、多くの人々がこれを噛むのを好むが…その理由は…その理由とは…正直なところよく分からない。きっとそれなりの理由があるはずだが。今度機会があれば聞いてみることにしよう。

ちなみに、シビから伝言がある。彼は「Trails of Nature」というYouTubeチャンネルを運営している。ワヤナードの景色は美しいが、農業のコツを掴みたいなら、マラヤーラム語をもう少し磨く必要があるだろう。https://www.youtube.com/@TrailsofNature

生きている土

丘を下る途中、彼らが作っている堆肥を見に立ち寄った。化学肥料を使わない彼らにとって、堆肥作りは極めて重要な仕事であり、完璧なものを作るべく多大な労力を注いでいる。それは、来年の健全な収穫への投資なのだ。我々が飲むのは、挽いた豆をフィルターして出てきた黒い液体だけだが、自然界に捨てるべきものは存在しない。すべてが生命を支えるために循環している。売り物にならない未熟な果実や果肉などの有機物は、牛フン、枯葉、もみ殻、そして「VAM」とともに3〜6ヶ月間かけて堆肥化され、再びコーヒーの木の下へと戻される。

「VAM」とは何か、ご存知ないと思うので説明する。これは「胞子嚢・樹状体形成菌根菌(Vesicular-Arbuscular Mycorrhiza)」の略で、根の成長と養分の吸収を促進する働きがある。健全な土壌とは生きている土壌であり、VAMはその生命の一部だ。彼らはトウモロコシ(メイズ)を植えることで、その根に自然発生するVAMを特別に培養している。そして、その草も根もVAMもすべて他のコーヒーの残渣と混ぜ合わせ、最強の堆肥を作るのだ。この、地域特有のやり方はシビがアジア学院で学んだ「ボカシ」とは異なるが、アジア学院は彼の堆肥作りと活用に関する全体的な理解を広げた。彼がそう言ってくれて、嬉しく思った。なぜなら、それこそがアジア学院の目指すこと――模倣ではなく適応させることだからだ。

アーユルヴェーダ

次に向かったのは、アーユルヴェーダの薬を加工する棟だ。この日は機械が止まっていたが、女性たちが700種類もの薬用植物を育てているのだから、ここが活気に溢れる時期もあることは、容易に想像できた。工程の多くはハーブの乾燥から始まり、そのための巨大な薪式オーブンが置かれていた。その後、効能を最大限に引き出すためにハーブの種類ごとに異なる技術で粉砕される。その中には、人力ではなく電力で回る大きな石臼もあった。次に瓶詰めや包装が行われる。何世代にもわたってアーユルヴェーダ薬の開発に一生を捧げてきた人々がいることを考えれば、私のこの日の学びは大海の一滴に過ぎない。いつかインターンシップに申し込むべきかもしれない。

おっと、面白いものを一つ忘れていた。彼らが子どもたちの学校での成績向上のために作っている「ブレイン・トニック」だ。「ブラーミ(乙女畔菜)」というハーブから作られており、ペースト状に練り上げられ、毎日小さじ半分ほど食べさせるという。子どもたちはきっと喜んで(?)食べていることだろう。通りかかった温室の一つは、このブラーミでいっぱいだった。

奥様、胡椒はいかがですか?

さて、女性たちが胡椒のつるから実を忙しそうにもぎ取っている場所へやってきた。あなたは、色の異なる胡椒がすべて同じ植物からできていることをご存知だろうか。胡椒はまだ緑色のうちに収穫され、その後の加工方法によって最終的な色が決まる。収穫したてで、緑の皮がついたままのものが、グリーンペッパーで、乾燥させると黒くなり、ブラックペッパーとなる。ブラウンペッパーにするには、実を天日干しにする必要がある。皮がついたまま乾燥させたものがブラックペッパー。ホワイトペッパーにしたければ、皮を完全に剥ぎ取る必要があり、レッドペッパーにしたければ、実が完全に熟すまで待ってから収穫する。南インドを訪れて以来、私はかつてないほど胡椒に思いを馳せ、感謝するようになった。今では、料理中にペッパーミルを握ると、いつもより何度か余計に回してしまう。

人生のスパイス

「とっておきのものは最後に」という言葉通り、我々はオーガニックショップへとたどり着いた。カルダモンコーヒー、高品質な茶葉、乾燥ジャックフルーツやパパイヤ、黒米、ジャグリー (サトウキビやパームヤシから作られる未精製の自然糖)、モリンガパウダー、発酵胡椒……名前の付くあらゆるスパイスと、あらゆる症状に効くアーユルヴェーダ薬が並んでいた。どれも素晴らしく、すべて買い占めたいほどだった。これらは本物だ。この丘で育てられた、作りたてのものだ。我々はスーパーマーケットのスパイス売り場で小瓶の列の前に立ち、目当ての瓶を探してラベルに目を走らせる。しかし、その中身がどのような立派な木に実ったのか、風に乗ってどんな香りを放っていたのか、農家が日々どれほどの手入れをしてきたのか、保存可能な粉末にするためにどれほどの工程を経てきたのかを考えたことがあるだろうか。これらすべては、我々の人生に風味を加えるためのものなのだ。その原点を目撃できたのは、なんと非凡な体験だったことか。

ナイス・レストラン

午後、シビは私を「ソリダリティ(連帯)」という組織へ連れて行ってくれた。そこで我々はナライヤナン(2002年アジア学院卒業生)に出会った。アジア学院では「ナラン」と呼ばれていた彼は、人生の多くをアディヴァシ(先住民族)の擁護に捧げてきた。この活動のために彼と仲間たちは「ソリダリティ」を設立し、このセンターを築いたのだ。また新たな物語が始まる予感がするだろうが、今日は盛りだくさんの一日だった。明朝またここへ戻ってくる予定なので、話はその時にたっぷり聞ける。今は少しゆっくりして、町にある「ナイスな」レストランで夕食としよう。文字通り、名前が「ナイス・レストラン」なのだ。今日のメニューはバターチキンだ。

一つの「W」と三つの「S」

旅の途中、今にも目が閉じそうで一刻も早くベッドに入りたいのに、礼儀として、非常に親切で饒舌なホストと何時間も話し続けなければならない…という状況を経験したことはないだろうか。私はあるが、今回の旅でではない。私がここでわざわざ、饒舌なホストの役割を演じてあなたを引き止めているのは、もう一つ紹介したい組織があるからだ。それは今回、無償で宿泊場所を提供してくれた「ワヤナード社会奉仕協会(WSSS)」だ。彼らのウェブサイトは非常に充実しているので、長くは引き止めない。

WSSSは1974年にマナンサアヴェーディーのカトリック教区によって設立された。「カトリックだが、すべての人に奉仕する」と、代表のジノジ神父は説明する。その活動の規模と深さは圧巻で、40以上のプロジェクト(うち19が現在進行中)を抱え、200人以上のスタッフがいる。シビもナランも、キャリアの初期にここで経験を積んだ。

彼らがコミュニティに関わる入り口はSHG(自助グループ)だ。この言葉を覚えておいでだろうか。WSSSは、農家、女性、コミュニティ、そして部族の人々が組織化するのを助けている。SHGの利点は、人々が組織に依存するのではなく、互いに頼り合い、高め合えるようになることだ。

ジノジ神父は、WSSSを「教区で最高のプロジェクト」と称し、活動の項目を早口で読み上げたので、書き留めるのがやっとだった。特に目を引いたのは、コミュニティ・ラジオ局だ。ラジオ・マットリと呼ばれ、部族の言語による教育番組を放送している。私がアジア学院で学んだことの一つは、農村コミュニティにおいてラジオがいかに効果的かということだ。マラウイからフィリピンに至るまで、多くの卒業生が地元のラジオに携わっている。ラジオは農家にとって、天気予報や市場価格といった重要な情報を得るための唯一の手段であることが多いのだ。

農業に関しては、WSSSは1999年に有機農業へと転換し、現在は約20,000人の有機農家と連携している。このうち1万6千人が重要な認証を取得しており、つまりWSSSは加工や販売支援を提供できる状態にある。加工・販売は設立した子会社「バイオウィン」を通じて行われている。(前にざっくり触れたインドの法律に関する件を思い出していただきたい)。バイオウィンについては明日訪問するが、コーヒー、スパイス、果物、野菜を加工し、ヨーロッパ36カ国に輸出している。この会社は農家に公正な価格を保証しており、市場価格を上回ることもある。珍しいスパイスなら二倍の値を付けることさえあるのだ。

WSSSのウェブサイトは本当に美しい。神父が挙げた他の活動についても知りたければ、ぜひ見てほしい。 https://wsssindia.in/

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