今年の8月、アジア学院の職員が、アフリカのザンビア、マラウイを旅して、計23名の卒業生を訪ねました。
そこで、スティーブンが書く旅行記を、シリーズで皆様にお届けしています。
3日目は、ザンビアの観光をたっぷりと…いえいえ、決して遊びに来たわけではないですよ…!
それでは早速、アフリカの旅へ出発です!
【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 3日目】
ちょっとしたリビングストン観光
今朝は時差ぼけで午前3時に起こされそうになったが、何とか5時まで寝ることに成功した。
それから素晴らしい朝食を待つこと、たったの2時間。時差ぼけは腹時計も狂わせるので、カイと私はお腹がペコペコだった!
この日は観光三昧の一日となった。我々がただ楽しんでいるだけで、冒頭で述べた”卒業生に会う”という使命を真剣に遂行していないと思うかもしれない。しかし、最初に休息日を設けるのは最善の選択だった。
この後のスケジュールはぎっしり詰まっている。そのため、この”ソフト・ランディング”は、長旅の疲れを癒し、アフリカの生活、特に現地時間に適応するチャンスとなる。同時に、観光はザンビアの経済の大部分を占めており、国民は世界的に有名なビクトリアの滝、広大なサファリパーク、国中の素晴らしい自然を誇りに思っている。ザンビアの友人いわく、これらの場所は必見だそうで、もし私たちがこれらをスキップしたら、彼らは許してくれるだろうか…?
さらに、私たちはジォフリーと丸一日過ごすことができ、彼はリビングストンとザンビアについて知っておくべきことや興味深い話をたくさん教えてくれた。
今朝の目標は”ビッグ5”と呼ばれる野生動物を見ることだった。サイ、カバ、ゾウ、ライオン、バッファロー、ハイエナ、チーター、そしてたぶんトラ。具体的にどの動物が “ビッグ5”なのかと尋ねると、このような答えが返ってきた。どうやら諸説あるようだ。
何にせよ、いくつか見られたら素晴らしいと思ったが、サファリに行ってみると…驚くほど高額だった!最大の売りは、その”仰天”するような値段で、ライオンやトラと一緒に歩けることだ。カイと私はあまり興味がなかったので、代わりにジップライン体験をすることにした。こっちの方が私好みだ。
私たちは車で、乾いた渓谷(私が期待していたザンベジ川ではない)に行った。そこには複数のアクティビティが用意されており、崖の横から飛び降りて渓谷の上をスイングする「渓谷ブランコ」などがあったが、私には…少々ハードルが高すぎた。ジップラインを体験するというだけでも緊張していた。
驚いたことに、ジォフリーはすぐに飛び込んで、従業員の男の子と一緒に最初のジップラインに乗った。そしてカイがストラップを締め、飛び出した後を…私も追いかけた!
最初の一歩は胃がキリキリしたが、その後はアドレナリン全開の楽しさだった。
彼らは2回目も私たちを無料で乗せてくれた。”ムササビ”の体勢で、後ろからフックをかけられ、スーパーマンのように飛ぶことができるのだ。運転手のメビンも一緒になって楽しんだ。彼はリビングストン出身だが、ジップライン体験はこれが初めてで、顔を輝かせて喜んだ。
ザンビアのあれこれ
町に戻る途中、遠くの方を象が歩き回っているのが見えた。世の中の、大半の人が住む地域ではまず見られない光景だろう。
ゾウが町を歩き回り、シマウマが道端で草を食み、カイと同じくらいの背丈のヒヒが両手を広げてカイのすぐそばまで歩いてきて、ミニッツメイドのマンゴージュースをひったくろうとしている。野生動物に興奮しつつも、少しビビっている我々を眺めていたジォフリーを見て、私は、日本で一番衝撃的だった、あるいは驚いた体験は何かと尋ねた。彼の答えは地下鉄で、全てが複雑で完璧なリズムでつながり、流れていて、全ての電車が分刻みで時刻通りに走っているのを目の当たりにしたことだった。
さらに、道すがら得た知識をいくつかランダムに。
ムクニという地域の首長はザンビアで最も裕福だ。彼はリビングストンにたくさんの高級ホテルや観光名所、広い土地など色々持っているようだ。というのも、街角には彼の巨大な看板があり、所有するコロナウイルスワクチンの予防接種を勧めていたからだ。
巨大な箱を荷台に載せた自転車の少年たちともすれ違った。どうやらジンバブエから帰ってくる途中のようだった。彼らは国境を越えて野菜を運び、アメリカドルで売って収入を得て、パスタのような乾物を安く買って持ち帰るのだ。ちなみに、ジンバブエの経済はハイパーインフレに見舞われて崩壊した。アメリカドルが使われているのは、そのような理由からだ。
最後に、車はガソリンスタンドに到着した。メビンが一度に100クワチャ(4ドル)のガソリンしか入れないので、我々は数えきれないほどガソリンスタンドに立ち寄った。なぜ彼がそんなことをしたのか、誰も分からなかった。店員のほとんどが若い女の子だから…?かもしれない。
ホロホロ鳥とチテンゲ
昼食、カイはホロホロ鳥を選んだ。柔らかくてジューシーだった。私はTボーンステーキを選んだが、硬くてパサパサだった。教訓…カイと同じものを選ぶのが吉!
さあ、次は買い物だ。まずはスパーという大きなスーパーマーケットへ。ジォフリーは以前、ここに商品を卸す会社に勤めており、彼のおすすめのグアバジュースはとても美味しかった!
それから、厚手の服を買うために服屋に向かった。ザンビアは南半球にあるため、季節が正反対であることを忘れていたのだ。日本が夏ならザンビアは冬である。アフリカなので、極端に寒くなることはないが、早朝はかなり肌寒い。日本のうだるような夏から解放されるのは喜ばしいが、前もって地理を勉強しておくべきだった。
天気の話題と言えば、ここでは誰もが10月か11月に来る雨期を待ち望んでいる。昨年春の干ばつは壊滅的で、いくつかの地域に飢餓を招いた。問題は、雨が降るかどうかは誰にも予測ができないと言うことだ。これは非常に神経を使う、生死に関わる問題だ。
最後に、カイの母親にサンドレス、キャシー(アジア学院の職員)に、女性の伝統的な巻き布、チテンゲを買うために、土産物屋に立ち寄った。
カイは地元のかわいいチテンゲを夢中で探している。販売員たちは自己主張が強かったが、攻撃的ではなかった。それでも、あまり買い物を楽しめない。
何か一つのものに一瞬でも目をやると、即座に誰かが押しかけてくる。「あの頭にカゴを載せた背の高い人たちの絵は何だと思う?」「それ気に入った?」「お名前は?」「どこから来たの?」「近づいてよく見てみて」「いくらなら買うかい?」等々。恐らく、この”ゲーム”を学ばないといけないのだろう。地元の人たちにとってはごく普通のことなのだ。
この日一番の収穫は、販売員の一人が描いた、ガモーラ(マーベル・コミックの世界)をイメージした緑色の肌を持つ女性の絵だった。
最後の最後に、明日のチケットを買うためにバスターミナルに立ち寄り、しばしの休憩と記録のためにホテルへと戻った。
夕食は、勧められるままに、ジォフリーとZestレストランという店に行き、そこで、驚愕のメニューを目にした。
私たちは狩猟肉を試すべく、インパラとワニを選び、ジォフリーはモパネワームという毛虫 (カリカリして美味しい)を使ったザンビア料理「ヴィンクバラ」を注文した。残念ながらクーズー(カモシカの一種で大きな角を持つ)の肉はなかった。普段、動物園で目にする動物を食べるのはどうかと思ったが、正直言って美味しかった!
文:スティーブン・カッティング(卒業生アウトリーチ担当)
旅の同行者:篠田 快(学生募集、採用担当)
シリーズ記事はこちら
Vol.2 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 3日目】<== 今ここ!
Vol.3 【アフリカ 卒業生を訪ねる旅 4日目】To Be Continued …