5月12日、国際文化会館で開催された第43回庭野平和賞贈呈式に出席した。
今年の受賞者はブラジルのアマゾンの先住民アシャニンカ族の精神的指導者で、環境活動家、人権擁護者、社会起業家としても知られるベンキ・ピヤコ師だ。
庭野平和財団は平和賞の贈呈理由として、「同地域の人々は侵入者から受けた被害および森林破壊により、計り知れぬ苦難を受けてきた。ピヤコ師は過去15年にわたり、アマゾンの熱帯雨林と先住民を守るため、環境保護および森林の 再生に向けた諸事業を主導した。その揺るぎない努力は、今後も気候変動との闘いの場で長く引き継がれていくであろう。環境の守り手として、人間と自然との結びつきを育むピヤコ師の取り組みは、近隣の地域にとどまらず、世界中のあらゆる地域の人々にその影響を与えている。」としている。
顔に赤い彩色を施し、頭には大きな鳥の羽を飾り、足元まで届く長い民族衣装をまとったピヤコ師は、壇上に上がるとまず天を仰ぎ祈りを捧げた。
そして、「命への扉に共に立ってくださってありがとうございます」と語り始めた。
文字を読み書きすることがないというピヤコ師の言葉には、精霊との交わりへと私たちを導くような、不思議な力が宿っているように感じた。
「命を愛するものは土地を愛する。」「精霊には言葉はないが、絆がある。」「知恵を守って、次世代に伝える。」
ひとつひとつの言葉が澄みきった響きを持ち、会場全体に深く染み渡っていくようだった。
私は庭野平和財団の理事を務めているご縁から、今回の式典では司会を任されることとなった。そのおかげで、ピヤコ師と直接言葉を交わしたり、さらにご一緒に写真を撮っていただくという光栄にもあずかった。

