コミュニティの豊かさ ―フィリピンの卒業生、ミミの働き

9月は卒業生の働きを通して、アジア学院の研修が世界に与えるインパクトについて、お伝えしています。
 今週は、卒業生アウトリーチ課のスティーブン・カッティングによる、フィリピンの2017年卒業生ミミの活動レポートをお送りします。

【コミュニティの豊かさ】

ミミ:「私は7年間このコミュニティに仕えてきましたが、自分の部族のためには、まだ何もできていないと感じています。」
ジョブ:「自分のコミュニティのために何かをしたいのであれば、まずアジア学院へ行き、それから人々のもとへ行くといい。」
ミミ:「でも怖いです。海外へ行くのが怖いです。」
ジョブ:「コミュニティを助けたいのであれば、恐れてはいけません。」

これは、二人のアジア学院卒業生が約10年前に交わした会話だ。牧師で、2015年のアジア学院卒業生のジョブは、2008年にフィリピンのパラワン島で先住民族のための学校を設立した。その2年後、教師の資格を持つミミが活動に加わった。学校は急速に成長し、すぐに周辺のあらゆる村から集まった子どもたちが文字や数字、歴史を学ぶようになった。7年後、ミミは自身のコミュニティのために何かをする時が来たと確信した。ジョブが、彼女にアジア学院へ行くよう勧めたのはこの時だった。

2018年、アジア学院から戻ってきた彼女は、パラワン族の自村にある自宅の中に学校を開いた。活動は3人の子ども、3羽のニワトリ、4頭のヤギ、そして2頭の子ブタから始まった。3人の子どもたちは地元の教会からの紹介で、家畜は誰かから贈られたものか、彼女がアジア学院で貯めた小遣いで購入したものであった。

現在、そこには11人の生徒、30頭以上のヤギ、そして数え切れないほどのニワトリがいる。彼女は授業料を徴収していないため、これらの家畜が学校の資金となっている。コミュニティの資源だけを活用し、熟練した技術で家畜を育てる彼女の知識は、すべてアジア学院で得たものだ。
昨年の春、ミミはメッセージを介して、新たに3人の生徒を受け入れたことを私に教えてくれた。学校だけでなく、彼女の心の内を垣間見ることができる内容なので、皆さんにも共有したい。

「一人はすでに9歳ですが、読み方を学んだことがありませんでした。父親から助けを求められたため、受け入れることにしました。今では小さな子どもたちと一緒に楽しく授業を受けています。もう一人は6歳です。彼女が赤ん坊の頃に母親が亡くなり、父親は耳が不自由で話すことができません。父親と一緒に通り過ぎる姿がとても無邪気で気弱そうに見え、気にかかったので学校に招きました。最後の一人は3歳です。この子は、元生徒の息子にあたります。コロナのパンデミックの時期に、17歳で読み書きができないまま私のところへやって来たこの父親は、1年以内に読み書きを習得しました。私はまるで祖母になったような気分です!」

ミミが自分のコミュニティに抱く夢は、シンプルでありながら深い。彼女は、その達成には20年、あるいは彼女の全生涯がかかると予想する。私は彼女自身の言葉以上にそれを的確に表すものはないと考えている。

「私は自分の子どもたちを心から大切に思っており、子どもたちは私の学校でコミュニティの豊かさを学んでいます。この子たちには一生懸命勉強し、戻ってきてコミュニティを助けてほしいと願っています。人々は私たちが貧しいと言いますが、私たちは貧しくありません。私たちが貧しいのは、持っていないものを欲しいと願ってしまう時だけです。しかし、私たちはすでに持っているものを大切にする方法を知りません。ここの山々には土地があります。たくさんの土地と、きれいな空気、水、木々があり、家畜がいます。私たちは実に多くのものを持っていますが、自分たちがどれほど豊かであるかを知りません。子どもたちには、この暮らしの豊かさを知ってほしいのです。」

(エメリンダ・クヤング・オンカル 2017年卒業生)

■クラウドファンディングへのご支援、ありがとうございます!

9月末までファイナルゴールに挑戦中です。引き続き、応援、伴走をよろしくお願いいたします。
ari.ac.jp/campaign/update

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男子寮・ゲストハウス

学生とボランティアは男女別の寮で暮らしています。共用の談話室やキッチン、シャワー、洗濯機があります。Wi-Fiは使用できません。

鶏舎

平飼いの鶏小屋と育雛舎があります。400羽以上の鶏を飼育し、年間80,000個以上の卵と約1トンの鶏肉を生産しています。

豚舎

学生は様々な養豚技術を実践的に学びます。発酵床タイプとコンクリート床タイプがあり、糞尿はバイオガスや肥料に利用されています。

山羊舎

山羊のミルク(年間200リットル以上)や肉は食用に、糞尿は肥料に利用しています。山羊は日中は放牧場でのびのびと過ごします。

森林

キャンパス周辺の森林では薪や木炭用に間伐を行い、農業に使う落葉等の有機資材を集めます。

2.5ヘクタールの農地で約100種類の野菜・作物を農薬や化学肥料を使わずに栽培しています。コミュニティが共に学びつつ自給自足の生活を続けるため、皆で畑を管理しています。

水田

キャンパス内外の水田で米の栽培を行っています。アイガモを使った除草や施肥など、有機稲作法の向上のためにさまざまな手法を研究しています。

ワークショップ

修繕やリサイクルのための施設で、機械、溶接、木工関係の道具、材料が置いてあります。

ミキシングルーム(飼料配合舎)

手作業や機械を用いて家畜用の飼料を作っています。品質と持続可能性を高めるために日々奮闘しています。

管理棟

管理棟1階には受付と事務室、2階に職員室、校長室があり、隣接してファームショップ(農業研修棟)があります。

ARIショップ

アジア学院の農産物や加工食品、書籍、卒業生の国の民芸品等を販売しています。

ファームショップ(農業研修棟)

学院の農作業の中心であり、教室や農具・農業資材置き場を備えています。作物の乾燥保管も行います。

オイコスチャペル

100年前の農家の古民家を改装した礼拝堂です。毎日の朝の集会はここで行われます。その他黙想や対話、ゴスペルクワイヤの練習等に使われ、コミュニティに開かれた空間です。オイコスとはギリシア語で「ホーム」を意味します。

マナハウス(食品加工棟)

クッキーやジャムなどの加工食品の調理と保存を行う施設です。一階は鶏の食肉処理施設になっています。

養魚池

食用および農用に魚を飼育しています。

クリスマス・ウィンターキャンペーン 2025
Christmas and Winter Donation Campaign