9月は卒業生の働きを通して、アジア学院の研修が世界に与えるインパクトについて、お伝えしています。
今週は、卒業生アウトリーチ課のスティーブン・カッティングによる、インドネシアの2020年卒業生アグスの活動レポートをお送りします。
【こんにゃくコミュニティ】
人々は彼を「アグス・こんにゃく」と呼ぶ。彼が、インドネシア・フローレス島マンガライ県の深い山奥で、こんにゃくによってコミュニティを築いているからだ。アジア学院に来る前、彼は何千本もの木を植え、人々にも植林のやり方を教えていた。アジア学院で彼が経験したのは、地球や食べ物、そしてお互いを慈しみながら生きる共同体の姿であり、それが彼に新たなビジョンを抱かせた。アグスはインドネシアにそのようなコミュニティを作りたいと考えた。
フローレス島の森には、こんにゃくが自生している。掘り起こして増やし、7㎏ほどに育つまで世話をすればよい。地元の人は食べる習慣がないが、加工して日本などへ出荷することできる。これが暮らしに不可欠な現金収入を生み出し、人々の生活の糧となる。
しかし、コミュニティを結びつけるきっかけがこんにゃくであったとしても、人々をつなぎ留めているのはこんにゃくそのものではない。アグスは肉体だけでなく、霊性を養うことも重視している。片方だけでは不完全だからである。こんにゃくは利益をもたらし、物質的なニーズを満たすが、人々の本当の強みは、信仰で結び合わされた強い絆、互いへの配慮、そして懸命に共に労することにある。彼らが自分たちを「アピカシ(愛や献身を意味する言葉)」と名付けた理由はここにある。
グループは、フローレス島全土から集まった12世帯、約60名で構成されている。全員で一つの大きな家に暮らし、毎朝こんにゃくの栽培に出かける。週に一度は、山奥の我が家へと続く長い道路の建設や整備を行っている。あるメンバーはその生活を「毎日、共に祈って、祈って、祈って、働いて、働いて、働く生活だ。」と語る。人々は大きな希望を胸に、2027年に訪れる最初の収穫を待っている。
アグスは一風変わった人物である。彼自身はお金に執着しないが、人々にとってのこんにゃくによる利益の重要性は理解している。彼は人生の真の価値について深く思索し、夜遅くまでコミュニティの仲間と語り合う。しかし、自分の意見に同意することや、リーダーとして自分に従うことを彼らに求めることはない。誰もが自由意志を持っており、このグループに加わるかどうかは本人の決断に委ねられている。
それでも、人々はこの場所に留まり続けている。ここで意味のある何か、心を動かされる何かを見出したからである。ある人は、最初はこんにゃくについて学ぶためだけに参加したが、「内側から湧き出る、生きる力」に出会ったと話した。また別の人は、ここに来る前は進むべき道を見失っていたが、ここで新しい原動力を見つけたと言い、さらに別の人は、アグスによって、日々の生き方や働き方を意識するようになり、自分たちのために働かれている、神を受け入れられるよう心が開かれたと付け加えた。
土から掘り起こしたこんにゃくを見て、ただの泥だらけで無骨な球根としか思わない人もいるかもしれない。しかしアグスにとってそれは、こんにゃくコミュニティ―すなわち「こんにゃくで養われる、豊かなコミュニティ」へと伸びる根筋なのだ。
(オーガスティヌス・アディル 2020年卒業生)
■クラウドファンディングへのご支援、ありがとうございます!
9月末までファイナルゴールに挑戦中です。引き続き、応援、伴走をよろしくお願いいたします。
ari.ac.jp/campaign/update
■SNSのストーリーとリールでは、サポーターの皆様からのメッセージや学生たちの研修の様子をご紹介しています。こちらもどうぞご覧ください!

















