Graduates of ARI
Rural Leader for Grassroots People

卒業は、新たなスタート地点
アジア学院での学びは、卒業とともに終わるものではありません。世界各地に帰った卒業生たちは、アジア学院での学びを自団体に持ち帰り、それぞれの地域で課題に向き合いながら、人々と共に持続可能な暮らしとコミュニティづくりを実践しています。
このセクションでは、そのように地域で精力的な活動を続けている卒業生を一部ご紹介します。このセクションでは、そのような地域で精力的に活動を続けている卒業生の一部をご紹介します。
「農村指導者(Rural Leaders)」とは
農村指導者(Rural Leaders)とは、特別な肩書きや権限を持つ人ではなく、地域の中で人々と共に生き、課題に向き合いながら変化を生み出していく存在です。人々の声に耳を傾け、対話を重ね、小さな実践を積み重ねることで、持続可能な暮らしとコミュニティを育んでいきます。命令するのではなく、共に考え、共に歩むこと。その姿勢こそが、農村指導者の本質です。
アジア学院の卒業生は、学院での研修を経てそのような農村指導者として成長し、それぞれの地域にその学びを持ち帰り、人々と共に生きながら実践を続けています。農業や保健、教育、地域づくりなど多様な分野で、対話と協働を大切にし、小さな変化を積み重ねていきます。困難な状況の中でもあきらめることなく、希望の種をまき続ける存在です。

海外(アジア・アフリカなど)の卒業生
世界に希望の種を蒔く
主にアジアやアフリカなどから招聘された学生は、卒業後、自身の所属団体で最低3年間活動することが求められています。これは、研修が支援者の皆様からの寄付によって成り立っており、この学びが個人のためだけでなく、それぞれが関わるコミュニティの課題解決に生かされることを目的としているためです。

セシリア・ンピンガ(16年卒)
衛生管理プロジェクト(マラウイ)
人々の強い味方になる
セシリアはマラウイ中部の102の村で、公衆衛生の指導に取り組んでいます。人と関わることを大切にし、現場での学びを重ねながら活動しています。チクウィンガ村では、生活に困難を抱える未亡人たちと出会い、ヤギの飼育プロジェクトを立ち上げました。支援で得たヤギを分け合い、最初に生まれた子ヤギを他の家庭へ譲ることで、取り組みは地域全体へ広がっていきます。女性たちは協力しながら暮らしの向上を目指し、歌や踊りの文化とともに、コミュニティのつながりを深めています。

トーマス・マシュー(88年卒)
社会経済教育開発サービス(SEEDS インディア)(インド)
良き隣人として生きる
トーマス・マシューは「良き隣人」を体現する存在です。誰に対しても心を開き、耳を傾け、できる限り寄り添います。「すべての人から学び、分かち合う」という姿勢を大切にしながら、地域での支援を続けています。聴覚障がいのある女性たちは、葉に絵を描いたカードづくりを通して生計を立てており、この活動は30年以上続いています。また、35の家族と長期的な関係を築き、毎月の集まりを通じて交流と支え合いを育んでいます。人々と対等に向き合い、共に歩む姿は、真の農村指導者そのものです。

ジュディス・ダカ・ニョンド(01年卒)
エキュメニカル開発基金(ザンビア)
コミュニティの母
ジュディは、苦しむ人を見過ごせない行動力あるリーダーです。アジア学院で得た学びが、声を上げ、コミュニティを支える勇気につながりました。夫ジョンと共に設立したエキュメニカル開発基金(EDF)を拠点に、人々と生活を共にしながら、有機農業や保健、職業訓練など幅広い支援を展開しています。特に、医療機関が遠い地域で40名の保健員を育成し、出産や健康管理を支える仕組みを築きました。対話と協働を大切に、地域に根ざした活動を続けています。

ビジャヤ・シン・ロイ・デイビッド(03年卒)
クールグ農村開発機構(CORD)(インド)
アディヴァシの権利のために闘う
ロイ・デイビッドは、インドの先住民族アディヴァシの土地権を守るために活動を続けてきました。「最後の人々のために何かをしたい」という思いを胸に、彼らが法的権利を理解し、自ら闘うための組織づくりを支えています。2006年には大規模な抗議行進に参加し、「森林権法」の成立にもつながりました。しかし、権利が認められた今も闘いは続いています。土地、水、森と共に生きる人々の尊厳を守るため、ロイは寄り添いながら歩み続けています。

マンブッ・サマイ(18年卒)
下肢切断者サッカー協会(シエラレオネ)
下肢切断者に自信と自立を

レヌカ・グナワルダナ(04年卒)
トゥシャラ・ニルミニ(09年卒)
ソーシャルワーカー(スリランカ)
困難の中でも、地域に十分な食料を

タウン・スィー(12年卒)
リスバプテスト神学校(ミャンマー)
地域のために食糧主権とタネを守る

「生命が継続してゆくために、
未来に向けて全身全霊で献身する、
そういう人々に私たちは投資しています。
それは価値ある投資、
永続する投資だと思うのです。」
- アジア学院創設者 髙見敏弘 -
あなたもこの人材育成に投資してみませんか?
日本人の卒業生
自ら選び、切り開く、新しい生き方
日本人の卒業生は、自らの意思で参加費を負担し、この研修プログラムに加わっています。多様な国々から集まる仲間と共に学び、生活を共にする中で得た経験は、その後の生き方や働き方に大きな影響を与えています。卒業後はそれぞれの場所で、地域や社会に向き合いながら、自分なりのかたちで学びを実践しています。

小松原 啓加(20年卒)
地域おこし協力隊(栃木県塩谷町)
誇りをもてる日本の村をつくりたい
2020年、ひろかさんは海外で働くことを目指してアジア学院に入学しましたが、仲間の話を通して「日本」という自分の原点を見つめ直しました。現在は栃木県塩谷町で、人と人をつなぎ、その物語を伝える活動に取り組んでいます。地域の人々にインタビューし、暮らしや想いを記事やイベントで発信。出会いの場を生み出し、新たな関係や協力を育んでいます。高齢化や人口減少と向き合う中で、誰もが集える「第三の居場所」づくりを目指し、地域の未来を形にしようとしています。

山崎 勝(98年卒)
(株)タスクアソシエーツ(東京千代田区)
農業を通じて友となり、平和をもたらす
山崎勝さんは、アフリカやアジア各地で農家のコンサルタントとして活動しています。農家の声に丁寧に耳を傾け、自立を支え、将来の課題に備える力を共に築いています。キャリアの初期に「まず自ら食べるものを生産する必要がある」と気づいたことが、アジア学院での学びと現在の道につながりました。現場では指導者ではなく対話の伴走者として、農家と共に考え、解決策を見出していきます。人と人が理解し合い、共に前へ進むこと――その喜びが、勝さんの活動の原動力となっています。


小山 萌愛(09年卒、10年研究科生)
ぐるり農園(三重県伊賀市)
子供たちに田舎暮らしの良さをシェア
「現在、三重県伊賀市の中山間地で、夫と共に農業を基盤とした暮らしを営んでいます。人口200人未満、高齢化が進む地域で多くの課題を抱えながらも、自然や地域の人々に支えられ、日々を楽しんでいます。私たちはともに都市部で育ちましたが、私はアジア学院での学びをきっかけに、夫は各地の農家での経験を経て、この地にたどり着きました。現在は1.3haの田畑を管理しながら、親子向けの農業体験イベントも企画・運営しています。人を迎え入れ、場を整える力など、アジア学院での経験が今の活動に生きています。」

石田 賢吾(12年卒)
Kenny's Farm(インドネシア)
自然と共生する農場を
「アジア学院卒業後、同期のフェニーと結婚し、インドネシア・北スマトラで暮らしています。現在は、フードフォレストの考え方を取り入れた、自然と共生する循環型農場づくりに取り組んでいます。果樹やスパイスなど30〜40種類の植物が重なり合う森は、長期的に収穫をもたらし、生態系の安定にもつながります。収穫した作物は小さなホームレストランで提供し、自給自足に近い暮らしを実践しています。将来は薬効のある植物も取り入れ、スパづくりにも挑戦したいと考えています。アジア学院での経験が、新たな発想の源となっています。」
書籍「Rural Leaders - 農村指導者たち」
By スティーブン・カッティング & ベバリー・アブマ
2016年刊行
『Rural Leaders – 農村指導者たち』は、アジアやアフリカを中心に、200人以上の卒業生たちを現地にだずね、彼らが地域の課題に向き合い、人々と共に歩む姿を描いた一冊です。本書は、農業、教育、保健、環境など多様な分野での実践を通して、「共に生きる」リーダーシップの本質を伝えます。困難な現実の中にも確かな希望があることを教えてくれる、静かで力強い記録です。購入希望の方はお問い合わせください。

日本語版
A4サイズ、136ページ

英語版
A4サイズ、120ページ
アジア学院の卒業生
入学者の背景や抱える地域課題は多様ですが、卒業後は全員が“奉仕するリーダー”として培った知識とスキルを自国へ持ち帰り、高い志のもと地域社会の課題解決に生かすことが期待されています。