常務理事・荒川朋子より|なぜ西日本研修を続けるのか

皆さま

いつもアジア学院の活動に関心を寄せてくださり、ありがとうございます。

常務理事の荒川朋子です。

これまで西日本研修寄付キャンペーン「隣人とやさしく生きる」について何度かお知らせしてきましたが、今回は寄付のお願いだけではなく、「そもそも西日本研修とはどのような研修なのか」を知っていただきたく、ご連絡しました。

学院創設時から続いてきたこの研修が、なぜ今もアジア学院にとって大切なのか。

少し長い文章になりますが、お時間のある際にお読みいただけましたら嬉しく思います。

アジア学院の西日本研修とは

西日本研修は、学院創設期から続く長寿プログラムであり、教務の観点からも欠かすことのできない、農村コミュニティリーダーたちにとって大切な学びの機会です。

この研修は、各地で支えてくださる協力者の存在なくしては成り立ちませんでした。学生や同行職員にとって忘れがたい学びの旅となってきた背景には、惜しみなく力を貸してくださる協力者の皆さま、そしてホストファミリーの温かな支えがあります。開始当初から訪問している3つの地域について、少しご紹介いたします。

最初の宿泊地である静岡県浜松市では、聖隷グループを訪問します。きっかけは、学院創設者・高見敏弘牧師が、聖隷の創設者である長谷川保先生にアジア学院設立のための支援をお願いしたことにあると言われています。長谷川氏は高見牧師に「アジア学院ができた暁には、研修で協力を惜しまない」と約束してくださり、それ以来、病院、看護短大、こども園・中学・高校、福祉施設、遠州栄光教会など、聖隷に関係する多くの方々がホストファミリーとして学生を迎えてくださいました。

(現在はホームステイは行っていませんが、かつてのホストファミリーの中には、長い年月を経てアジア学院の職員になった方や、私の親戚になった方もいます!)

みかんの産地として知られるこの地域で必ず訪れる山中忍さんのみかん畑は、学生たちにとって楽しい思い出の場所です。長年にわたり温かく迎えてくださり、ご自宅のみかん畑で好きなだけみかんを採らせてくださるからです。

大阪でのフィールドスタディーとホームステイは、西日本研修の開始当初より大阪YMCAにご協力いただいています。大阪YMCAのスタッフであった田中義信さんは、1977年、日本YMCA同盟に出向。全国の専門職主事の研修(3ヵ月コース)を担当されていた際、アジア学院でのYMCA職員の研修を立ち上げ、両者の関係を深めてくださいました。大阪に戻られてからも、田中さんは大阪YMCAとアジア学院の結びつきを大切に育ててくださいました。

大阪YMCAでのホームステイはコロナ禍により一時中断しましたが、2024年に再開しています。これまでのホストファミリーからは、日本人学生が誕生した例もあります。

三つ目の訪問地は熊本県水俣です。現在のカウンターパートである「からたち」の源流は、水俣袋地区反農薬生産者連合(反農連)にあり、大澤忠夫・つた子ご夫妻と会の皆様が1980年代から継続して協力してくださいました。現在の研修受け入れの中心は娘の菜穂子さんで、二代にわたりこの研修を支えてくださっています。また水俣は、学生数が4名まで減ったコロナ禍の時期にも受け入れを続けてくださった地域です。

これに加え、広島の原爆資料館も欠かすことのできない訪問地です。南インドの卒業生のトーマス・マシューさんは、広島訪問をきっかけにインドで核兵器廃絶活動と平和運動を始めました。研修の訪問地は時代とともに変化し、四国の自然農法家・福岡正信氏の農場を訪れたり、九州・中国地方をはじめ西日本各地の農業者、市民活動、社会福祉の現場を巡ったこともあります。現在は三重県の愛農学園農業高校を毎年訪問し、生徒さんもアジア学院を訪れ、双方向の交流が続いています。

西日本研修は同行職員4〜5名がマイクロバスを交代で運転し通訳も兼ね、かつては2週間以上、現在は12日間で約3,000kmを走り抜けます。観光地を素通りしながら、困難に向き合い歩み続ける人々、そしてその人々に寄り添う方々と出会い、対話を重ねる旅です。

私はかねてより、この旅こそ、日本人が体験すべき旅だと感じています。日本のもう一つの姿、忘れてはならない歴史、心に刻むべき人々に出会う旅なのです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

西日本研修は、応援のおかげで実施に必要な220万円を達成し、今年も実施できることになりました。学生たちの残りの学びを支えるため、キャンペーンは9月末まで継続しております。

▼クラウドファンディングの詳細はこちら
https://syncable.biz/campaign/9823/report#campaign-tabs

これからも研修の様子や学生たちの学びをご報告してまいります。 引き続き見守っていただけましたら幸いです。

アジア学院 常務理事 荒川朋子

男子寮・ゲストハウス

学生とボランティアは男女別の寮で暮らしています。共用の談話室やキッチン、シャワー、洗濯機があります。Wi-Fiは使用できません。

鶏舎

平飼いの鶏小屋と育雛舎があります。400羽以上の鶏を飼育し、年間80,000個以上の卵と約1トンの鶏肉を生産しています。

豚舎

学生は様々な養豚技術を実践的に学びます。発酵床タイプとコンクリート床タイプがあり、糞尿はバイオガスや肥料に利用されています。

山羊舎

山羊のミルク(年間200リットル以上)や肉は食用に、糞尿は肥料に利用しています。山羊は日中は放牧場でのびのびと過ごします。

森林

キャンパス周辺の森林では薪や木炭用に間伐を行い、農業に使う落葉等の有機資材を集めます。

2.5ヘクタールの農地で約100種類の野菜・作物を農薬や化学肥料を使わずに栽培しています。コミュニティが共に学びつつ自給自足の生活を続けるため、皆で畑を管理しています。

水田

キャンパス内外の水田で米の栽培を行っています。アイガモを使った除草や施肥など、有機稲作法の向上のためにさまざまな手法を研究しています。

ワークショップ

修繕やリサイクルのための施設で、機械、溶接、木工関係の道具、材料が置いてあります。

ミキシングルーム(飼料配合舎)

手作業や機械を用いて家畜用の飼料を作っています。品質と持続可能性を高めるために日々奮闘しています。

管理棟

管理棟1階には受付と事務室、2階に職員室、校長室があり、隣接してファームショップ(農業研修棟)があります。

ARIショップ

アジア学院の農産物や加工食品、書籍、卒業生の国の民芸品等を販売しています。

ファームショップ(農業研修棟)

学院の農作業の中心であり、教室や農具・農業資材置き場を備えています。作物の乾燥保管も行います。

オイコスチャペル

100年前の農家の古民家を改装した礼拝堂です。毎日の朝の集会はここで行われます。その他黙想や対話、ゴスペルクワイヤの練習等に使われ、コミュニティに開かれた空間です。オイコスとはギリシア語で「ホーム」を意味します。

マナハウス(食品加工棟)

クッキーやジャムなどの加工食品の調理と保存を行う施設です。一階は鶏の食肉処理施設になっています。

養魚池

食用および農用に魚を飼育しています。

クリスマス・ウィンターキャンペーン 2025
Christmas and Winter Donation Campaign